すでに10球団がチーム本塁打の新記録を樹立。ホームラン増の理由は「フライボール革命」よりも…

メジャーリーグの使用球は、コスタリカで作られている Feb 19, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 チーム本塁打の球団記録が、続々と塗り替えられている。ミネソタ・ツインズやニューヨーク・ヤンキース、ロサンゼルス・ドジャースをはじめ、すでに10球団が記録を更新した。ワシントン・ナショナルズは球団記録と並んでいて、他にも3球団が新記録まで一桁に迫る。

筆者作成
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 2011年から2015年の間に、新記録を打ち立てた球団は皆無だった。その後、2016年は4球団、2017年は7球団、2018年は2球団が新記録を樹立した。今シーズンは、全30球団の3分の1から半数前後がそうなる。ドジャースの記録更新は3年連続、ヤンキースは2年連続だ。

 メジャーリーグ全体のホームランも、増えている。5500本以上の6シーズン中4シーズンは、2016年以降だ(他は1999年と2000年)。2017年は初めて6000本を超え、今シーズンはあと150試合近くを残し、それを250本以上も上回っている。

 その要因の一つには、「フライボール革命」が挙げられる。極めてざっくりと説明すると、安打になる確率はゴロよりもフライの方が高い、というデータに基づくものだ。けれども、それだけではない。「飛ぶボール」が、ホームランを増やしていると思われる。

 14年前、ホゼ・カンセコは、「Juiced(ジュースド)」と題した著書で、自身と他の選手の薬物使用について書いた。Juiceには、薬を打つという意味がある。それに準えているのだろう、最近は「Juiced Ball」と表現している記事が目につく。

 昨シーズンまでと比べ、今シーズンのボールがさらにJuicedの度合いを増したのかどうかは――結果からするとそうだと言えそうだが――断定できない。ただ、少なくとも、メジャーリーグのボールは、マイナーリーグのボールよりもよく飛ぶようだ。

 昨シーズンまで、マイナーリーグのボールは、こちらもローリングス社の製品ながら、メジャーリーグのボールとは違うものだった。だが、今シーズン、AAAだけはメジャーリーグと同じボールを使用した。

 9月上旬にAAAのシーズンが終わった直後、サンディエゴ・パドレス傘下のAAAでブロードキャスターを務めるティム・ハガティは、こうツイートした。「最終的なAAAの本塁打総数:2018年-3652本 2019年-5749本 AAAは2019年からMLBのボールに変更した」

 これによると、今シーズンのホームランは、前年比1.5倍以上だ。あり得ないような増え方なので、マイナーリーグのオフィシャル・サイトとベースボール・リファレンスに当たってみたところ、数本の誤差はあるものの、間違いではなかった。その一方で、AA以下のクラスのホームランは、減っているところを含め、昨シーズンとそれほど大きく変わっていない。