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「30本塁打カルテット」を超え、史上初の「30本塁打クインテット」誕生

宇根夏樹ベースボール・ライター
ミゲル・サノー(ミネソタ・ツインズ)Sep 14, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月17日、ミゲル・サノー(ミネソタ・ツインズ)が、シーズン30本目のホームランを打った。ツインズでは、ネルソン・クルーズマックス・ケプラーエディ・ロザリオミッチ・ガーバーの4人も、30本塁打以上を記録している。

「30本塁打クインテット」は史上初だ。「30本塁打カルテット」を擁した12チームのなかで、「5人目」のホームランが最も多かったのは、1997年のコロラド・ロッキーズだった。ラリー・ウォーカー(49本)、アンドレス・ガララーガ(40本)、ビニー・キャスティーヤ(40本)、エリス・バークス(32本)に次ぎ、ダンテ・ビシェットが26本のホームランを打った。ちなみに、彼らのうち3人は「40本塁打トリオ」を形成した。チームメイト3人が40本塁打以上は、最多記録だ。1973年のアトランタ・ブレーブス(デービー・ジョンソン=43本、ダレル・エバンス=41本、ハンク・アーロン=40本)と1996年のロッキーズに並ぶ。ロッキーズは2年連続だが、トリオの顔ぶれは同じではない。

筆者作成
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 今シーズンのツインズは、史上初の「20本塁打オクテット(8人)」も結成し、チーム全体の289本塁打(9月17日時点)は、すでにメジャーリーグ記録を更新している。

「30本塁打カルテット」の12チーム中、ポストシーズンに進出したのは4チームしかない。全体の3分の1だ。7チームは地区2位にもなれず、1999年のロッキーズに至っては、負け越して地区最下位に終わった。史上初の「40本塁打トリオ」がいた1973年のブレーブスも負け越し、順位は地区6チームの下から2番目に位置した。

 けれども、今シーズンのツインズは、地区2位のクリーブランド・インディアンズに5ゲーム差をつけている。このままいけば、9年ぶりの地区優勝と2年ぶりのポストシーズン進出となる。

 なお、ツインズの「6人目」は、24本塁打のC.J.クロンだ。あと11試合で6本のホームランを打ち、「30本塁打クインテット」を「30本塁打セクステット」とするのは難しそうだが、不可能ではない。クロンは5月8日~18日に、11試合で6本塁打を記録している。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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