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ブルージェイズの二世選手3人中、史上2組目の「親子サイクルヒット」を達成したのは

宇根夏樹ベースボール・ライター
キャバン・ビジオ(トロント・ブルージェイズ)Sep 17, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月17日、キャバン・ビジオ(トロント・ブルージェイズ)がサイクルヒットを達成した。最初の打席で三振を喫した後、ホームラン、シングル・ヒット、二塁打でリーチをかけ、5打席目に三塁打を打った(写真はその直後)。

 父のクレイグ・ビジオも、2002年4月8日にサイクルヒットを記録している。親子のどちらも達成は、ゲリー・ウォード(1980年9月18日)とダリル・ウォード(2004年5月26日)に続く2組目だ。

 5月にデビューしたキャバンは、この日が出場89試合目。それまで、1試合の安打は3本が最も多く、3種類の安打を打った試合は皆無だった。また、この試合の5打席目は9回表2死一、二塁。チームは1点リードしていたので、直前にヒットと四球で出塁した2人のうち一方がアウトになり、投手が9回裏を0点に抑えれば、キャバンに5打席目は巡ってこなかった。

 キャバンのサイクルヒットで特筆すべき点は、父に続く達成だけではない。この試合で、キャバンは4打点を挙げ、盗塁も2度決めた。スタッツ社によると、サイクルヒット&4打点以上&2盗塁は、打点が公式記録となった1920年以降では初めてだという。キャバンの1試合4打点は自己最多タイ(3度目)、1試合2盗塁はキャリア初だった。

 今シーズン、ブルージェイズでは、他にも二世選手がデビューしている。ブラディミール・ゲレーロJr.ボー・ビシェットだ。キャバンと同じく、彼らも「親子サイクルヒット」の可能性を持つ。ブラディミール・ゲレーロは2003年9月14日、ダンテ・ビシェットは1998年6月10日にサイクルヒットを達成した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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