1番から9番まで全員20本塁打以上のラインナップが完成する!? 7人が到達し、残る2人もあと5本以内
8月28日、ジョナサン・スコープ(ミネソタ・ツインズ)が、シーズン20本目と21本目のホームランを打った。今シーズン、ツインズで20本塁打に到達したのは、スコープが7人目だ。昨シーズンのロサンゼルス・ドジャースなど、これまでに7チームが記録した、史上最多の人数に並んだ。
この人数は、さらに増えそうだ。ツインズには、19本塁打のホルヘ・ポランコと15本塁打のマーウィン・ゴンザレスもいる。マーウィンは2年前に23本塁打を記録していて、ツインズはここから30試合を行う。レギュラーシーズンの終盤もしくはポストシーズン――ツインズは地区首位を走っている――では、1番から9番まで全員20本塁打以上のラインナップが登場しても不思議ではない。
ポランコとマーウィンを含む9人が、スターティング・ラインナップに揃った試合はない。9人中8人の先発出場が3試合あるだけだ。けれども、7月下旬に「9人とも15本塁打以上のラインナップが完成する!? すでに8人が15本以上」で書いた時点のような、ポジションの重なりはない。ミッチ・ガーバーとスタメンマスクを分け合うジェイソン・カストロは、前半戦に10本のホームランを打ったものの、後半戦は2本にとどまり、可能性のある「20本塁打以上の9人」には入っていない。一方、ガーバーは13本と10本だ。
打順はさておき、ポジションはこう想定できる。ガーバーがマスクをかぶり、内野には反時計回りに、C.J.クロン、スコープ、ポランコ、ミゲル・サノーが並ぶ。外野は右から、マーウィン、マックス・ケプラー、エディ・ロザリオの3人だ。本来なら、ケプラーの守備位置はライトだが、8月初旬からは、故障のバイロン・バクストンに代わってセンターを守っている。マーウィンは内外野をこなす、スーパー・ユーティリティだ。
もっとも、迫力満点とはいえ、この9人が並ぶラインナップは、一抹の不安も残す。出塁率.360以上の選手はクルーズしかおらず、出塁率.330未満は4人を数える。四球率にしても、サノーとクルーズの2人は10%以上ながら、クロンとロザリオは4%にも届かず、マーウィンとスコープも7%以下だ。
この点を考慮すると、ポストシーズンでは、パワーを多少ダウンさせても、出塁率の高い選手をラインナップに加えるべきかもしれない。バクストンもカストロも出塁率.330未満だが(ただし、バクストンはチームに欠けているスピードを備える)、二塁を中心に外野もこなすルイス・アライズは出塁率.402(四球率10.0%)、センターも守れる外野手のジェイク・ケイブは出塁率.372(四球率9.0%)を記録している。非力なアライズと違い、ケイブはまずまずのパワーもある。昨シーズンは、91試合で13本のホームランを打った。