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大竹寛の「17シーズン目に100勝」は史上最遅。「12勝以上のシーズンなしで100勝」も史上初

宇根夏樹ベースボール・ライター
球場(と所属チーム)は違うが、大竹寛は1勝目も100勝目も広島で挙げた(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)

 8月12日、大竹寛(読売ジャイアンツ)が白星を挙げ、史上137人目の100勝に到達した。

 大竹は、2003年に広島東洋カープからデビューした。今年は17シーズン目だ。一軍で登板したシーズン(年)のみを数え、100勝到達が15シーズン目以降の投手は11人いるが、大竹の17シーズン目は、権藤正利(117勝)と並び、最も遅い。それに次ぐのは、水谷則博(108勝)と下柳剛(129勝)の16シーズン目だ。

 一方、最速は4年目。ヴィクトル・スタルヒン(303勝)、野口二郎(237勝)、稲尾和久(276勝)、杉浦忠(187勝)がそうだ。もっとも、4人とも1960年より前にデビューしている。彼らと大竹を比べるのは、無理がある。ただ、大竹の4年前、1999年にデビューした松坂大輔(114勝/現・中日ドラゴンズ)と上原浩治(112勝)は、2人とも8シーズン目に100勝に到達した。大竹と同じ2003年にデビューした和田毅(129勝/現・福岡ソフトバンクホークス)が100勝目を挙げたのは、9シーズン目の2011年だった。

 また、大竹のシーズン白星は、2012年の11勝が最も多い。100勝を挙げるまでに、12勝以上のシーズンが一度もなかった投手は、他にいない。それまでは、槙原寛己(159勝)、小宮山悟(117勝)、三浦大輔(172勝)のシーズン12勝が最少だった。小宮山と三浦はキャリアを通しても12勝がシーズン最多だが、槙原は100勝に到達した1993年に13勝を挙げた(100勝到達はシーズン5勝目)。

 なお、現役投手では、2人が100勝まで一桁に迫る。ランディ・メッセンジャー(阪神タイガース)はあと2勝、成瀬善久(オリックス・バファローズ)はあと4勝で100勝となる。それぞれ、10シーズン目と13シーズン目。メッセンジャーのシーズン最多白星は2014年の13勝、成瀬は2007年の16勝だ。

 他には、3人の現役メジャーリーガーが、日本プロ野球で90勝以上を記録している。田中将大(現ニューヨーク・ヤンキース)は7シーズンで99勝、前田健太(現ロサンゼルス・ドジャース)は8シーズンで97勝、ダルビッシュ有(現シカゴ・カブス)は7シーズンで93勝を挙げた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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