「100万ドルのボーナス」は、解雇に向かうカウントダウンだった!?
8月9日、ニューヨーク・メッツは、内野手を入れ替えた。アデイニー・エチャバリアを25人ロースターと40人ロースターから外し、2日前にサンフランシスコ・ジャイアンツから解雇されたジョー・パニックを加えた。
メッツでは8月4日に、二塁手のロビンソン・カノーが左太腿裏を痛め、翌日、故障者リストに入った。その穴を埋める内野手を少しでもグレードアップさせるのが、メッツの狙いだろう。エチャバリアのスラッシュライン(打率/出塁率/長打率)は.204/.252/.359、移籍前のパニックは.235/.310/.317だ。パニックもそう打っているわけではないが、2015年はOPS(出塁率+長打率).833を記録し、2017年も.768だった。それに対し、エチャバリアのシーズンOPSは一度も.700に達したことがない。
それともう一つ、メッツにはエチャバリアを外す理由があった。エチャバリアの契約には、ロースター在籍日数によるボーナスがついていた。100日と150日に達した時点で、それぞれ100万ドルだ。あと1日、エチャバリアがロースターにいれば、在籍日数は100日となり、メッツは100万ドルを支払う必要があった。
好成績を残し、ボーナスを支払っても保有する(起用する)価値があると球団に思わせれば別だが、そうでない場合、こういった条件は解雇につながる。ここから、ウェーバーを経て、エチャバリアはメッツに解雇されるだろう。
一方、パニックの今シーズン年俸は385万ドルだったが、その残り分は、ジャイアンツが支払う。メッツの費用は、メジャーリーグの下限である55万5000ドルの残り分、約15万ドルで済む。また、パニックがFAになるのは来シーズン終了後なので、メッツはそのまま保有してもいいし、今オフに契約を解除することもできる。
8月9日、パニックは「8番・二塁」として出場し、サヨナラ勝ちにつながるヒットを打った。メッツは連勝を7に伸ばし、ワイルドカードの2番手まで0.5ゲーム差に迫った。