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ジャーニーマンの旅は、ここで終わるのか。14球団目のブルージェイズから解雇されて…

宇根夏樹ベースボール・ライター
エドウィン・ジャクソン May 15, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月19日、トロント・ブルージェイズが、エドウィン・ジャクソンを解雇した。

 今シーズンは、5先発と3救援で計28.1イニングを投げ、防御率11.12。腰を痛めて6月18日から故障者リストに入り、7月15日の復帰登板は3イニングを無失点に抑えたものの、翌日にロースターから外された。ウェーバー公示中に、獲得を申し出る球団は現れなかった。

 史上最多の14球団でプレーしているジャクソンは、今シーズンがメジャーリーグ17年目だ(だった、と言うべきか)。ただ、デビューは20歳の誕生日と早く、年齢はまだ35歳。ジャクソンより年上の現役選手は、42歳のフェルナンド・ロドニー(ワシントン・ナショナルズ)をはじめ、20人以上を数える。

 また、昨シーズンは、13球団目のオークランド・アスレティックスで、17試合に先発して防御率3.33を記録した。本人にその気があれば、まだ投げ続けられるのではないだろうか。

 このまま今シーズンを終えても、オフにジャクソンを迎え入れる球団は、マイナー契約ならあるだろう。ジャクソンは、そこから這い上がった経験も持つ。2015年の夏にシカゴ・カブスから解雇された後、ジャクソンは7球団のユニフォームを着て、メジャーリーグで投げた。それらの入団は、ほとんどがマイナーリーグ契約だった。

 ジャーニーマンという観点からすると、あと16球団が残っている。

筆者作成
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 ボストン・レッドソックスやニューヨーク・ヤンキース、ヒューストン・アストロズなどは考えにくいが、ロサンゼルス・エンジェルスやカンザスシティ・ロイヤルズなどは、ジャクソンと契約してもおかしくない。これらの球団は、先発投手が揃っているわけでなく、昨オフと同じく大物投手との契約はなさそうなので、ジャクソンにはチャンスがある。球団としても、マイナーリーグ契約であれば、リスクが生じることはない。

 なお、ジャクソンに次いでプレーした球団の多い現役選手は、ナショナルズが11球団目のロドニーだ。こちらは、5月28日にアスレティックスから解雇され、数日後にナショナルズとマイナー契約を交わし、6月25日にメジャーリーグへ昇格した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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