エースとクローザーの放出は中止!? 夏のトレード市場で売り手に回るはずだった球団が…

マディソン・バムガーナー(サンフランシスコ・ジャイアンツ)Jul 13,2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月29日の時点で、サンフランシスコ・ジャイアンツは、ナ・リーグ西地区の最下位にいた。地区首位のロサンゼルス・ドジャースには19.5ゲーム離され、ワイルドカードの2番手までも8.5ゲーム差。夏のトレード市場では、間違いなく売り手に回るはずだった。

 エースのマディソン・バムガーナーとクローザーのウィル・スミスは、今オフにFAとなる。5月に「ジャイアンツのエースは「トレード拒否権」を行使するのか。対象はヤンキースやレッドソックスなど8球団」でも書いたとおり、バムガーナーはポストシーズンに強い。スミスはポストシーズンの経験こそ少ないが、この時点で21セーブを挙げ、失敗は皆無。2人とも、すでにトレードの噂が飛び交っていた。

 ところが、そこから7月18日までの15試合で、ジャイアンツは13勝を挙げた。借金は12から1に減り、ドジャースとは15ゲーム差の地区3位ながら、ワイルドカードの2番手には2.5ゲーム差に迫っている。

 バムガーナーとスミスを売って、見返りにプロスペクトを手に入れるべきか。それとも、彼らを擁したまま、ポストシーズンをめざすべきか。今シーズンより、8月以降のトレードは禁止となり、デッドラインは7月末に一本化された。それまでに、ジャイアンツはあと11試合を残す。

 快進撃がさらに続けばともかく、現在と同じ勝率5割前後でデッドラインを迎えた場合は、売り手に回るべきだろう。ここ15試合に限れば、1試合平均7.9得点と4.0失点ながら、これは一過性の可能性が高い。特に、打線がそうだ。それまでの82試合は、3.9得点と5.0失点だった。

 ちなみに、MLBトレード・ルーマーズは「ジャイアンツはトレード・デッドラインでどうすべきか」というアンケートを実施している。選択肢は「売る」「動かない」「買う」の3つ。これまでに約1万人が答えていて、そのうちの74.81%は「売る」としている。「動かない」は15.54%、「買う」は9.65%だ。ジャイアンツには、プロスペクトが少ないという事情もある。

 ブルペンでは、スミスの他にも、サム・ダイソントニー・ワトソンの放出が考えられる。三塁手のパブロ・サンドバルと先発投手のジェフ・サマージャも、トレードされてもおかしくない。