Yahoo!ニュース

1イニング8得点の凸凹。投手がヒットとホームランを打つ一方で、2打席ともアウトになった打者も

宇根夏樹ベースボール・ライター
Jul 18, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月18日、ワシントン・ナショナルズは、3回表に8点を挙げた。

 ビッグ・イニングは、投手のスティーブン・ストラスバーグから始まった。この回の先頭打者として、シングル・ヒットを打った。

 さらに、打順が一巡し、2死二、三塁の場面で再び打席に立つと、ストラスバーグは420フィートのホームランを叩き込んだ。イライアス・スポーツビューローによれば、投手が1イニングにホームランを含む2安打を打つのは、ここ50年で5人目。2010年4月11日のエドウィン・ジャクソン以来だという。

 ビッグ・イニングの立役者となったのみならず、ストラスバーグは5回表にも、1死二、三塁からヒットを打ち、2者を生還させた。この試合は3打数3安打、5打点。また、5.1イニングを投げて3点を失ったものの、7三振を奪った。打点が公式記録となった1920年以降、1試合に3安打を打って5打点を挙げ、7三振を奪ったのは、他には、1936年8月12日のウェス・フェレルと2007年8月18日のマイカ・オーウィングスだけだ。こちらは、スタッツ社がツイートしている。

 フェレルは4打数3安打、2本塁打、6打点。9イニングを投げきり、8三振を奪って失点は4(自責点3)だった。オーウィングスは5打数4安打、2本塁打、6打点。7イニングで奪三振7、失点3。ストラスバーグと同じく、2人も勝利投手となった。

 一方、3回表のビッグ・イニングには、ストラスバーグと対照的な選手もいた。「1番・遊撃」のトレイ・ターナーだ。ストラスバーグに続いて打席に入り、空振り三振とセンター・ライナーに倒れ、3アウトのうち2アウトを記録した。5回表にストラスバーグが2打点を挙げた直後にも、空振り三振を喫した。

 もっとも、試合全体としては、ターナーも6打数2安打。得点に絡むことはなかったが、1回表にシングル・ヒット、9回表に二塁打を打った。1回表には、盗塁も決めた。

 なお、先発出場したナショナルズの9人中、ストラスバーグとターナーをはじめとする7人は、それぞれ2安打以上を記録した。「4番・レフト」のホアン・ソトと「6番・捕手」のカート・スズキは3打数0安打ながら、ソトは3四球を選び、スズキは犠牲フライでソトを生還させた。

 試合は、ナショナルズが13対4でアトランタ・ブレーブスを下した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事