Yahoo!ニュース

史上初めて、どちらも背番号「0」の投手と打者が対戦。背番号「99」の対戦はこれまでにあった!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
アダム・オッタビーノ(ニューヨーク・ヤンキース)Mar 28, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 4月19日、7回表からマウンドに上がったアダム・オッタビーノ(ニューヨーク・ヤンキース)は、テランス・ゴア(カンザスシティ・ロイヤルズ)に対して5球を投げた。2人の背番号はどちらも「0」。これまで、メジャーリーグで背番号「0」の投手と打者が対戦したことはなかった。結果は、見逃し三振。カウント2-2からオッタビーノが投じたスライダーに、ゴアは手が出なかった。

 史上初の背番号「0」対決を制したオッタビーノは、ニューヨーク・タイムズのジェームズ・ワグナーらによると、試合後にこうコメントしたという。「正直なところ、何て言ったらいいのかわからない。おかしな背番号の2人というだけのことさ」

 1月に「ヤンキースに一桁の背番号が復活。「1」から「9」はすべて欠番だが…」で書いたとおり、ヤンキースの背番号「0」はオッタビーノが初めてだが、彼自身はイニシャルの「O」に見立てて、2013~18年もコロラド・ロッキーズで「0」を背負っていた。

 ゴアの背番号「0」は、メジャーデビューした2014年からだ。昨シーズン終盤に在籍したシカゴ・カブスでは背番号「1」をつけ、メジャーリーグ5年目にして通算安打を「0」から「1」としたが、今シーズンはロイヤルズへ戻り、再び「0」のユニフォームに袖を通している。ちなみに、昨シーズンまでの通算16打数1安打に対し、今シーズンは12打数5安打と「打ちまくって」いる。

 なお、背番号「99」対決は、すでに実現している。史上初は2014年5月23日だ。99%間違いない。投手はヒューストン・アストロズのルディ・オーウェンス、打者はシアトル・マリナーズのジェームズ・ジョーンズ。彼らは、先発投手と1番打者として4度対戦した。結果は、センターフライ、二塁ゴロ、内野安打、投手ゴロ(バント)だった。オーウェンスはこの日がメジャーデビュー。自身と同じ背番号「99」のジョーンズは抑えたものの、5.2イニングを投げて5点を失い、敗戦投手に。その後、メジャーリーグで投げることはなかった。

 また、昨年4月2日には、史上初めて、背番号「99」の2人が先発投手として投げ合った。タイワン・ウォーカー(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)は5イニング、ヒョンジン・リュ(ロサンゼルス・ドジャース)は3.2イニングを投げ、いずれも3失点で勝敗はつかず。打者としては2度ずつ対戦し、ウォーカーは内野ゴロ2本を打たされ、リュは2三振を喫した。

 背番号「0」の2人による投げ合いは、まだ実現していない。それもそのはず。これまで、背番号「0」の投手はオッタビーノしかいない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事