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田中将大が開幕戦で最も警戒すべき打者は?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ドワイト・スミスJr. May 24, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 3月28日、田中将大(ニューヨーク・ヤンキース)は開幕戦のマウンドに上がる。相手はボルティモア・オリオールズだ。

 昨シーズン、オリオールズは両リーグ最多の115敗を喫した。田中は4登板して防御率4.09(2勝1敗)。シーズン全体の3.75より高いが、田中がよく打たれた3人、アダム・ジョーンズ(11打数5安打、2本塁打、1二塁打)、マニー・マチャド(9打数3安打、2本塁打)、ジョナサン・スコープ(8打数4安打、2二塁打)は、すでにオリオールズにはいない。

 マチャドとスコープは7月に相次いで放出され、ジョーンズは8月に「「ファイヤー・セール」を実施した球団のなかで、それに背を向けたベテランがいた」で書いたとおり、シーズン終了までチームに残ったが、3人ともオフにFAになり、現在はそれぞれ、サンディエゴ・パドレス、ミネソタ・ツインズ、アリゾナ・ダイヤモンドバックスに在籍している。

 彼らがいなくなったオリオールズ打線のなかで、田中が最も警戒すべき打者は、3月上旬までトロント・ブルージェイズにいたドワイト・スミスJr.だろう。

 26歳のスミスは、今シーズンがメジャーリーグ3年目となる。これまでの出場は47試合だけ。ドラフト指名は2011年の1巡目(全体53位)だが、マイナーリーグでトップ・プロスペクトと目されるような成績は残していない。今春のスプリング・トレーニングでは、最初の7試合で12打数1安打に終わり、クレイ・バックホルツのブルージェイズ入団によって40人ロースターから外され、直後にオリオールズへ放出された。

 けれども、オリオールズへ移った後、スミスは12試合で打率.429(28打数12安打)、5本塁打、1二塁打。特に、最後の6試合中3試合は3安打ずつを記録し、4試合でホームランを打った。この調子をそのまま、シーズンに持ち込む可能性もある。スミスにとっては、レギュラーを掴むチャンスだ。また、スミスは左打者。開幕戦の舞台であるヤンキー・スタジアムは、ライト方向へのホームランが出やすい。

 なお、田中とスミスは、メジャーリーグの公式戦とスプリング・トレーニングでは一度も対戦していないが、昨年7月に田中がAAAでリハビリ登板した際、2打席で顔を合わせた。その時の結果は、遊撃ゴロとセンターフライだった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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