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イチローのMLB最初と最後。初二塁打と初三塁打は違う試合で同じ投手から

宇根夏樹ベースボール・ライター
イバン・ロドリゲス(左)とイチロー SEP 12, 2009(写真:ロイター/アフロ)

 2001年の開幕戦から2019年の開幕2戦目まで、イチローはメジャーリーグで2653試合に出場した(レギュラーシーズンのみ)。

 最初と最後の打席は、どちらも内野ゴロ。二塁ゴロと遊撃ゴロに終わった。イチローは最初の打席の直前と最後の直後に、いずれもライトの守備についたが、デビュー戦の1回表は打球が飛んでこず、その裏に先頭打者として打席に入った。ラストゲームでは、8回表2死二塁の場面で凡退すると、いったんライトの守備位置に立ったものの、プレーが始まる前に交代した。

 打席以外も、メジャーリーグで最初に記録したのは、基本的に――本塁打をさらに「3ラン本塁打」や「満塁本塁打」のように細分化していけば別だが――すべて1年目の2001年だ。一方、ここ2シーズンは計17試合しか出場していないこともあって、最後の三塁打や犠牲フライ(犠飛)は3年前の2016年まで遡る。

筆者作成
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 また、最後の相手はそれぞれ違うものの、最初の記録については、ティム・ハドソンリック・へリングが複数の項目に顔を出す。当時、2人はオークランド・アスレティックスとテキサス・レンジャーズのエースだった。ハドソンはイチローを打率.217(69打数15安打)に抑えたが、へリングは打率.500(14打数7安打)と打ち込まれた。ただ、へリングとイバン・ロドリゲスのバッテリーは、2001年4月17日の試合で、イチローの二盗を2度とも阻止した。イチローが盗塁に2度失敗した試合は、他にはない。

 なお、最初の相手は、投手も捕手もすでに選手生活にピリオドを打ち、イバンは2017年に殿堂入りしている。最後の相手も現役ばかりではなく、イチローにぶつけたブランドン・マッカーシーは、昨年12月にレンジャーズのGM特別補佐に就任した。イチローに犠牲フライを打たれたジョエル・デラクルーズも、2017年のオフにアトランタ・ブレーブスから解雇された後は、どの球団とも契約していない。マッカーシーはイチローより10歳若く、デラクルーズに至っては16歳も下だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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