「ピッチ・クロック」が導入されると影響を受けるのは…。田中将大もその一人!?

ジャスティン・バーランダー(ヒューストン・アストロズ)Aug 3, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今春から、スプリング・トレーニングの試合にピッチ・クロックが導入された(今のところ、20秒を超えてもペナルティは科されない)。レギュラーシーズンに関しては、選手会の同意を得られていないが、コミッショナーのロブ・マンフレッドはそうしたいという意向を示している。マイナーリーグでは4年前から導入しており、メジャーリーグでも、カウントダウンはさらに進んだ感がある。

 レギュラーシーズンにピッチ・クロックが導入された場合、影響を受けるのは、投球間隔の長い投手だろう。

 ファングラフスは「ペース(Pace)」として、投球と投球の間の平均時間を掲載している。これは、ピッチ・インフォのデータだ。それによると、昨シーズンに規定投球回をクリアした投手のうち、27.0秒のジャスティン・バーランダー(ヒューストン・アストロズ)をはじめ、10投手のペースは25.0秒を超えていた。また、50イニング以上には、30秒以上の投手が6人いた。なかでも、ペドロ・バイエズ(ロサンゼルス・ドジャース)は「ヒューマン・レイン・ディレイ(人間雨天中断)」のニックネームを持つ。このニックネームの「先輩」であるマイク・ハーグローブは、投手ではなく野手で、たびたび打席を外した。

筆者作成/ペースはファングラフスより
筆者作成/ペースはファングラフスより

 ペースは、ピッチ・クロックがカウントする秒数とイコールではない。とはいえ、彼らの投球間隔が長いことは間違いない。

 ピッチ・クロックに適応するために投球間隔を短くし(あるいは意識し)、それによって調子を狂わせる投手が出てきてもおかしくない。ロサンゼルス・タイムズのホルヘ・カスティーヨらによると、クレイトン・カーショウ(ドジャース)はスプリング・トレーニング中のピッチ・クロックについて「気にするつもりはない」と語ったという。この発言は「気にしてしまうと、投球によくない影響を及ぼす」とも受け取れる。昨シーズン、カーショウのペースは25.0秒だった。

 日本人投手も、影響を受けるかもしれない。昨シーズン、ペースが25秒に満たなかったのは、18.9秒の牧田和久(サンディエゴ・パドレス)だけだ。田中将大(ニューヨーク・ヤンキース)はバーランダーと同じ27.0秒。田澤純一(現シカゴ・カブス)とリリーフ登板時の前田健太(ドジャース)は30秒を超えた。

筆者作成/ペースはファングラフスより
筆者作成/ペースはファングラフスより

 なお、規定投球回以上でペースが最も短かったのは、20.5秒のマイク・フォルテネビッチ(アトランタ・ブレーブス)だ。バーランダー(もしくは田中)とフォルテネビッチが昨シーズンのペースどおりに100球ずつ投げたとすると、バーランダーは27.0秒×99=2673.0秒=44分33秒、フォルテネビッチは20.5秒×99=2029.5秒=33分49.5秒なので、ペースの合計には10分以上の差が生じる。