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前年と比べて、打率が上がった選手、下がった選手。パ・リーグ首位打者の柳田よりアップ幅が大きかったのは

宇根夏樹ベースボール・ライター
中田翔/2017年のWBC MARCH 14, 2017(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 2年続けて規定打席をクリアした32人のうち、4人の打率は昨シーズンから3分(30ポイント)以上アップし、3人は3分(30ポイント)以上ダウンした。

 柳田悠岐(福岡ソフトバンクホークス)の打率は4分2厘(42ポイント)上がり、3年ぶり2度目の首位打者を獲得した。ただ、パ・リーグで最も打率が上がったのは柳田ではなかった。2割台の打率なので目につかないかもしれないが、中田翔(北海道日本ハムファイターズ)が.216→.265と変動し、4分9厘(49ポイント)アップした。

筆者作成
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 一方、セ・リーグには、中田以上にアップした選手が2人いた。山田哲人(東京ヤクルトスワローズ)と坂本勇人(読売ジャイアンツ)だ。山田は.247→.315で6分8厘(68ポイント)、坂本は.291→.345で5分4厘(54ポイント)のアップ。また、昨シーズンは規定打席に達していないため、今回の対象には入れていないが、坂本をかわして首位打者となったダヤン・ビシエド(中日ドラゴンズ)の上昇幅は、さらに大きかった。昨シーズンの打率.250に対し、今シーズンは.348。ほぼ1割近くアップした。

 3分以上ダウンした3人のなかでは、3分8厘(38ポイント)下がった菊池涼介(広島東洋カープ)が、自己ワーストの打率.233に終わった(2012年は規定打席未満の234打席で打率.229)。もっとも、51四球と7.9%の四球率(四球/打席)はどちらも自己ベスト。出塁率.301は昨シーズンから1分(10ポイント)のダウンにとどまり、辛うじてとはいえ、2013年の.297(打率.247)と2015年の.292(打率.254)を上回った。

 なお、メジャーリーグには、「最も打率が上がった選手、最も打率が下がった選手。ア・リーグ首位打者は上昇幅もトップ。前年と同じは2人」で書いたとおり、昨シーズンと同じ打率の選手がいたが、日本プロ野球にはいなかった。アップかダウンを問わず、変動幅が最も小さかったのは.322→.323の秋山翔吾(埼玉西武ライオンズ)だ。秋山は出塁率(.398→.403)と長打率(.536→.534)も、昨シーズンとほとんど変わらなかった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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