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誕生日とワールドシリーズ優勝を同時に祝うことができるのは……この選手だけ

宇根夏樹ベースボール・ライター
トニー・ケンプ(を抱えているのはマーウィン・ゴンザレス)Oct 17, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 昨年のワールドシリーズで優勝した直後、カルロス・コレイア(ヒューストン・アストロズ)はプロポーズに成功し、二重の喜びを味わった(「メジャーリーガーの「プロポーズ大作戦」あれこれ。ワールドシリーズで敗れていたら、あのプロポーズは……」)。これは、コレイア自身が計画したものだが、自分の誕生日にワールドシリーズ優勝となると、そうはいかない。

 誕生日は、10月下旬か11月上旬に限られる。また、ワールドシリーズ優勝が決まる可能性のあるのは、年に4日。第4戦(4勝0敗)、第5戦(4勝1敗)、第6戦(4勝2敗)、第7戦(4勝3敗)が行われる日がそうだ。

 1990年以降を調べたところ、ワールドシリーズに出場して「誕生日に優勝」は、1993年のアル・ライターと2015年のパウロ・オルランド(カンザスシティ・ロイヤルズ)の2人だった。「誕生日に対戦チームが優勝」も、1992年のラファエル・ベリヤードと2013年のシェーン・ロビンソンの2人だ(どちらも、見落としがないことを祈る)。

 今年の場合、ポストシーズンに残っている4チームの選手のうち、誕生日とワールドシリーズ優勝を同時に祝うことができるのは、1991年10月31日生まれのトニー・ケンプ(アストロズ)しかいない。昨年と同じく、第7戦にアストロズが優勝を決めれば、その日は27歳の誕生日だ。ちなみに、昨年のワールドシリーズ第7戦は、11月1日だった。ケンプは当時もアストロズにいたが、レギュラーシーズンの出場は17試合に過ぎず、ポストシーズンではロースターに入っていなかった。

 アストロズでは、第2打撃コーチのジェフ・アルバートも、誕生日はケンプと同じ10月31日だ(11歳上)。ただ、チームはリーグ・チャンピオンシップ・シリーズの4試合を終えて1勝3敗。ワールドシリーズ進出が危うくなっている。ケンプは第3戦にレフトでスーパー・キャッチを演じ、第4戦は勝ち越しのホームランを放ったが、いずれも勝利には結びつかなかった。

 なお、ミルウォーキー・ブルワーズでブルペン・コーチを務めるリー・タネルは、ワールドシリーズ第6戦が行われる10月30日に、58歳を迎える。だが、こちらもチームは2勝3敗。ロサンゼルス・ドジャースに王手をかけられている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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