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あさっての先発投手は、今日の先発投手と同じ。2試合続けて同じ投手が先発マウンドへ

宇根夏樹ベースボール・ライター
ウェイド・マイリー(ミルウォーキー・ブルワーズ)Oct 17, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ウェイド・マイリー(ミルウォーキー・ブルワーズ)は、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズ第5戦に先発登板した。移動日を挟み、第6戦も先発マウンドに上がる予定だ。スタッツ社のツイートによると、ポストシーズンの1シリーズで、チームの2試合に続けて先発した投手は、1930年のジョージ・アーンショウが最後だという。

 マイリーが第6戦に先発すれば、中1日という点も、88年前のアーンショウと共通する。ただ、1930年のワールドシリーズで、アーンショウは第5戦と第6戦に先発し、7イニング無失点と1失点完投で連勝した(第2戦も1失点完投でシリーズ3勝)。一方、マイリーは先頭打者を四球で歩かせたところで、マウンドを降りた。アーンショウは前年のワールドシリーズでも、第2戦と第3戦に続けて先発している。第2戦は5回途中に降板したが、第3戦は完投した。この時も、登板間隔は中1日だった。

 第5戦のマイリーは、アーンショウよりも、1924年のワールドシリーズ第7戦に先発したカーリー・オグデンに近かった。右投手のオグデンは、先頭の右打者から三振を奪い、次のスイッチ・ヒッターに四球(4球連続ボール)を与えると、左打ちの3番打者と対戦する前に左投手と交代した。左投手のマイリーが第5戦で投げた相手は、左打者のコディ・ベリンジャー(ロサンゼルス・ドジャース)だけだ。その後は右打者が3人並んでいて、右投手のブランドン・ウッドラフがマウンドを引き継いだ。

 第6戦の場合、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は、ラインナップの少なくとも1番から3番まで、右打者を並べるだろう。第5戦と違い、第6戦はマイリーの先発が予想されている。それに対し、ブルワーズのクレイグ・カウンセル監督は、右投手を先発させることもできるが、予定どおりにマイリーでいくのではないか。第5戦は「クローザー」とは逆の「オープナー」として起用したが、第6戦は通常の先発投手、すなわち「スターター」として投げさせると思われる。マイリーはこのポストシーズンで2試合に先発し、計10.1イニングを投げて無失点だけでなく、三塁すら一度も踏ませていない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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