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レッドソックスに凶兆!? ポストシーズンで監督が退場になると、ワールドチャンピオンの確率は0%

宇根夏樹ベースボール・ライター
A.コーラ監督(ボストン・レッドソックス)/地区優勝後 Sep 20, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ボストン・レッドソックスのアレックス・コーラ監督が、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズの第1戦で退場となった。5回表にアンドルー・ベニンテンディが見逃し三振を喫した際、判定に抗議し、球審のジェームズ・ホイに退場を宣告された。この回、レッドソックスは2点を挙げて同点に追いつき、なおも2死二、三塁としていた。その後は、ベンチ・コーチのロン・レネキーが指揮を執った。

 デビッド・ビンセントのデータ(~2014年)とその後を併せると、ポストシーズンの監督退場は、コーラが24度目となる。昨年7月に67歳で亡くなったビンセントは、ベーブ・ルースのニックネーム「サルタン・オブ・スワット」にちなみ、「サルタン・オブ・スワット・スタッツ」と呼ばれていた。

 ポストシーズンで監督が退場となった過去22チームは、いずれもワールドシリーズで優勝していない。過去23度なので23チームと思うかもしれないが、昨年はジョー・マッドン監督(シカゴ・カブス)が2度、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズの第1戦と第4戦に退場となった。ちなみに、同じ年のポストシーズンに退場2度は史上初。マッドンはタンパベイ・レイズの監督だった2010年にもポストシーズンで退場を宣告されていて、通算3度はボビー・コックス(1992、1996、2010年)と並び、最も多い。

 また、ディビジョン・シリーズあるいはリーグ・チャンピオンシップ・シリーズで監督が退場になった14チームは、すべてワールドシリーズに進出できなかった。ディビジョン・シリーズの6チーム中、次のリーグ・チャンピオンシップ・シリーズへ進んだのも、1998年のクリーブランド・インディアンズ(マイク・ハーグローブ監督)しかない。

 ちなみに、コーラの退場は通算3度目だ。監督としては8月3日に続く2度目だが、ヒューストン・アストロズでベンチ・コーチを務めていた昨シーズンに、8月25日の試合で退場となった。3度とも、審判は別。選手時代は14シーズンにわたってプレーし、退場は一度もなかった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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