ワイルドカードをゲットするのと同時に、ヤンキースは大きなものを失ったのかも

ディーディー・グレゴリアス(左)とオースティン・ウィンズ Sep22, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月22日、ニューヨーク・ヤンキースはサヨナラ勝ちを収め、前年と同じくワイルドカードによるポストシーズン進出を決めた。

 ただ、その勝利には代償が伴った。2対2で迎えた11回裏に、アーロン・ヒックスの一打で一塁から生還したディーディー・グレゴリアスが、右手首を痛めた。写真からわかるとおり、ホームベースに触れたのは左手だが、映像を観ると、その前に右手がグラウンドを叩いている。グレゴリアスは翌日にMRI検査を受け、コルチゾンを注射。このままシーズンを終え、ポストシーズンに出場できない可能性もある。

 グレゴリアスが欠場しても、遊撃の穴は埋められる。ヤンキースは8月末に、ピッツバーグ・パイレーツからアデイニー・エチャバリアを獲得している。このトレードは、内野安打を打ったグレゴリアスが一塁手と交錯し、左の踵を痛めて故障者リストに入ったことが理由だった。守備に関して言えば、エチャバリアはグレゴリアスを上回る。

 けれども、2人の打撃には大きな差がある。グレゴリアスはOPS.834、エチャバリアは.629だ。今シーズンのみならず、ここ3年の比較でも、エチャバリアはグレゴリアスを150ポイント以上も下回る。グレゴリアスが「打てる遊撃手」であるのに対し、エチャバリアは「打てない遊撃手」だ。「そこそこ打てる遊撃手」や「あまり打てない遊撃手」ではない。

 また、グレゴリアスの27本塁打は、ヤンキースではジャンカルロ・スタントン(35本)に次ぎ、左打者では最も多い。エチャバリアは右打者で、ホームランは通算(7シーズン)でも27本しか打っていない。

 ポストシーズンでグレゴリアスを欠く、あるいは出場しても万全の状態ではないということになれば……。

 昨年のワイルドカード・ゲームで、ヤンキースは1回表に3点を失ったが、直後にグレゴリアスのホームランで同点に追いついた。さらに、グレゴリアスはディビジョン・シリーズ第5戦で、その1ヵ月後に2度目のサイ・ヤング賞を手にするコリー・クルーバー(クリーブランド・インディアンズ)から、2打席続けてホームランを打った。