エースがブルペンへ。ただし、キングとは違う理由で
7月末から故障者リストに入っているカルロス・マルティネス(セントルイス・カーディナルス)が、来週早々にも復帰する。けれども、ローテーションには戻らず、マルティネスはブルペンへ回る。
シアトル・マリナーズでは、数年前から「キング」ではなくなっていたフェリックス・ヘルナンデスが、8月14日にキャリアで初めてリリーフとして投げた。マリナーズもカーディナルスも、それぞれのリーグでワイルドカード・レースの3位に位置している。また、フェリックスは10年続けてマリナーズの開幕投手を務めてきた。カーディナルスの開幕投手は、ここ2年ともマルティネスだ。
ただし、共通するのはそこまで。ブルペンへ回された時、フェリックスの防御率は5.73だった。一方、マルティネスは過去3年と同じく、今シーズンも防御率3点台(3.41)を記録している。マリナーズはポストシーズン進出を果たすために、フェリックスをローテーションから外すべきだと判断した。カーディナルスはそうではなく、マルティネスをリリーフとして起用する方がチームの勝利につながると考えているのだろう。
フェリックスと違い、マルティネスは過去にリリーフを経験している。2013~14年は計78試合に登板し、そのうち70試合はリリーフだった。しかも、リリーフ投手としてなら、先発投手よりも早く復帰できる。先発投手の場合、復帰前のリハビリ登板で、ある程度のイニングを投げる必要がある。今シーズン、マルティネスの故障者リスト入りが3度目――いずれも違う箇所を痛めている――ということも、ブルペン行きの要因の一つかもしれない。
セントルイス・ポスト-ディスパッチのピーター・ボウらによると、マルティネスはシーズン終了までリリーフとして投げ、来春のスプリング・トレーニングから先発に戻るという。そうなると、再び先発マウンドに立つのは、フェリックスの方が早そうだ。マリナーズでは、8月14日にジェームズ・パクストンが打球を左腕に受け、故障者リストに入った(フェリックスはこの試合で、1回裏1死から5.2イニングを投げた)。そのため、20日はパクストンに代わり、フェリックスが先発する予定だ。もっとも、そこから先、フェリックスがどう起用されるかについては、まだわからない。