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負け越しチーム同士が対戦するクライマックスシリーズが実現!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
クライマックスシリーズは2007年に始まった(写真:アフロ)

 レギュラーシーズンで負け越したチームが、クライマックスシリーズに出場した例はある。2009年の東京ヤクルト・スワローズ(71勝72敗1分/.497)、2013年の広島東洋カープ(69勝72敗3分/.489)、2015年の阪神タイガース(70勝71敗2分/.496)、2016年の横浜DeNAベイスターズ(69勝71敗3分/.493)がそうだ。4チームともセ・リーグだが、パ・リーグでは2004~06年に3チームが進出するプレーオフを実施しており、2005年に西武ライオンズ(67勝69敗0分/.493)が出場している。

 ただ、同じ年のクライマックスシリーズに、複数の負け越しチームが出場したことはない。それが、今年は2チームどころか、3チームが出てきてもおかしくない。8月3日現在、セ・リーグ2位の東京ヤクルトは借金2(44勝46敗1分/.489)、3位の読売ジャイアンツは借金3(47勝50敗1分/.485)。パ・リーグ3位の福岡ソフトバンク・ホークスはジャスト5割の勝率(45勝45敗1分)だ。

 ちなみに、メジャーリーグでも、負け越したチームがポストシーズンに出場する可能性は皆無ではないが、そういったことは一度も起きていない。歴代のポストシーズン出場チームのうち、勝率が最も低かったのは、2005年にナ・リーグ西地区で優勝したサンディエゴ・パドレス(82勝80敗/.506)だ。1994年のア・リーグ西地区1位は借金10のテキサス・レンジャーズ(52勝62勝/.456)だが、この年は8月12日からストライキに突入し、ポストシーズンは開催されなかった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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