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「110勝チーム」と「110敗チーム」が同時に生まれる!? すでにそれぞれ70勝と70敗に到達

宇根夏樹ベースボール・ライター
ブロック・ホルトとジョナサン・スコープ(奥) May 20, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月22日、ボストン・レッドソックスが両リーグ一番乗りで70勝に到達した。ここからの61試合も勝率.693のままであれば、最終的には112~113勝となる。

 一方、同じア・リーグ東地区のボルティモア・オリオールズは、その2日前に70敗目を喫した。こちらも、そう表現するのがふさわしいかどうかはさておき、両リーグ一番乗りだ。7月22日時点の勝率は.280。162試合に当てはめると、116~117敗となる。

「100勝チーム」と「100敗チーム」の両方が存在したシーズンは、過去55度を数える。2001年以降に限っても9シーズンあり、直近では2016年がそうだった。シカゴ・カブスが103勝(58敗)、ミネソタ・ツインズが103敗(59勝)を記録した。

 ただ、同じシーズンに「110勝チーム」と「110敗チーム」は、これまで1度しかない。ピッツバーグ・パイレーツが110勝(42敗)を挙げ、ワシントン・セネタースが110敗(42敗)を喫した1909年だ。

 今シーズンのレッドソックスとオリオールズがそうなれば、109年ぶり2度目。語呂合わせとしては、来シーズンの方が110年ぶりとなるのでおいしいが――ロジャー・マリスが1961年に61本塁打を打ったように――史上初めて同じリーグに「110勝チーム」と「110敗チーム」が揃う。1909年のパイレーツはナ・リーグ、セネタースはア・リーグだった。セネタースは1961年にミネソタへ移転し、ツインズとなった。

 レッドソックスにペースダウンする余裕はない。ア・リーグ東地区ではニューヨーク・ヤンキースも100勝を超えるペースで勝ち進んでいて、その差は5ゲームしかない。

 オリオールズはマニー・マチャドをロサンゼルス・ドジャースへ放出したのに続き、次はザック・ブリットンを手放しそうだ。他にも、2人と同じくオフにFAとなるアダム・ジョーンズブラッド・ブロックをはじめ、トレードの噂が出ている選手は少なくない。

 レッドソックスの110勝目とオリオールズの110敗目が、同じ試合ということもあり得る。9月24~26日に予定されている、シーズン最後から2番目のカードで、レッドソックスとオリオールズは対戦する。このカードは、ここまでレッドソックスの9勝1敗だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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