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新人でもないのに、ホームラン・ダービーの本数が通算本塁打を上回る。こんな選手、過去にいた!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
マックス・マンシー(ロサンゼルス・ドジャース)Jul 16, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 マックス・マンシー(ロサンゼルス・ドジャース)とリース・ホスキンス(フィラデルフィア・フィリーズ)は、2人とも、ホームラン・ダービーの第2ラウンドで敗れた。それでも、マンシーは第1ラウンドと合わせて29本、ホスキンスは37本をスタンドへ運んだ。マンシーの本数は、メジャーリーグで打った通算本塁打を2本上回り、ホスキンスは5本も多かった。

 昨年のダービーに出場した、アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)とコディ・ベリンジャー(ドジャース)も、通算本塁打より多くの本数を記録した。だが、この2人は昨シーズン、新人王を受賞した。一方、マンシーがルーキーだったのは3年前のことだ。昨年8月にメジャーデビューしたホスキンスも、すでにルーキー資格を失っている。昨シーズンの新人王投票では、4位に入った。

 新人でもないのに、ホームラン・ダービーで通算本塁打を上回る本数を記録した選手は、過去にもいたのだろうか。単年のダービー合計本数>その時点の通算本塁打、だ。

 調べた限り、マンシーとホスキンス以外の該当者はいなかった。2008年のダービーで35本を記録したジョシュ・ハミルトン――優勝はできなかった――は惜しいが、その時点の通算本塁打は40本だった。

 マンシーとホスキンスのキャリアは対照的だ。マンシーは今シーズンが始まるまで、通算96試合で5本のホームランしか打っていなかった。昨シーズンはメジャーリーグに昇格することなく、今シーズンの開幕もAAAで迎えた。ホスキンスは昨シーズン、デビューから11試合でマンシーの通算本塁打に並んだ。10本塁打に達したのは17試合目。史上最速(最少試合)の記録を塗り替えた。

 なお、今年のダービーは、第2ラウンドでマンシーと対戦したブライス・ハーパー(ワシントン・ナショナルズ)が制した。ハーパーは、1990年のライン・サンドバーグと2015年のトッド・フレイジャー(現ニューヨーク・メッツ)に続き、自身のホーム・グラウンドで行われたダービーで優勝した3人目の選手となった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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