大物選手のトレードは、オールスターが終わるまで待つ!?
この夏、ボルティモア・オリオールズはマニー・マチャドをトレードで放出するだろう。オリオールズの勝率は3割に届いておらず、マチャドはシーズン終了後にFAとなる。
獲得した球団がマチャドを保有できる期間は、基本的に数ヵ月だ。移籍が遅くなれば、それだけ短くなる。契約延長を申し出ることもできるが、マチャドがそれに応じるかどうかはわからない。また、シーズン中に移籍してFAとなった選手は、退団した場合に補償が得られるクオリファイング・オファーの対象外だ。
オリオールズとしても、トレードは早い方が望ましい。シーズンの残り試合が少なくなるにつれて、交換条件は悪化しかねない。他の選手のトレードによって、マチャドを欲しがる球団が減ることもあり得る。
ただ、マチャドはオールスター・ゲームに選ばれている。ファン投票で174万645票を得て、僅差ながら、カルロス・コレイア(ヒューストン・アストロズ/168万4016票)やフランシスコ・リンドーア(クリーブランド・インディアンズ/140万9887票)を上回った。
もし、マチャドがオールスター・ゲーム前にナ・リーグの球団へ移籍した場合、特例を適用しない限り、4年前のジェフ・サマージャ(現サンフランシスコ・ジャイアンツ)がそうだったように、オールスター・ゲームには出場できない。
サマージャはオールスター・ゲームの10日前に、ナ・リーグのシカゴ・カブスからア・リーグのオークランド・アスレティックスへトレードされた。試合前の選手紹介ではナ・リーグの列に並んだが、在籍球団のユニフォームを着る他の選手たちと違い、サマージャは前日の練習と同じナ・リーグのユニフォームを着用した。
この年のカブスからは、サマージャ以外の選手もオールスター・ゲームに選ばれた。サマージャの代替は、フリオ・テラーン(アトランタ・ブレーブス)だった。
一方、今年のオリオールズからは、マチャドだけだ。移籍先がナ・リーグの球団なら、オリオールズの選手を代替とすれば――ふさわしい選手は見当たらないものの――不在は避けられるが、ア・リーグの球団だとマチャドは出場できるので、オリオールズの選手はいなくなる。また、今年の舞台となるワシントンD.C.のナショナルズ・パークは、ボルティモアのカムデンヤーズと約40マイルしか離れていない。オールスター・ゲームが終わるまで、オリオールズはトレードを待つのではないだろうか。
オールスター・ゲーム前の放出をとどまるのは、オリオールズだけではないかもしれない。選出されているメンバーのなかに、この夏、トレードされそうな選手は少なくない。