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通算出場2000試合に迫るベテランが、初のオールスター・ゲーム選出

宇根夏樹ベースボール・ライター
ニック・マーケイキス(アトランタ・ブレーブス)Apr 19, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今年のオールスター・ゲームには、故障者やその代替を含め、27人が初めて選ばれている(まだ増えるかもしれない)。そのうち、故障で出場はできないものの、グレイバー・トーレス(ニューヨーク・ヤンキース)は4月22日にメジャーデビューしたばかり。年齢は21歳だ。メジャーリーグ2年目のオジー・オールビース(アトランタ・ブレーブス)も同じく21歳で、生まれたのはトーレスより約1ヵ月遅い。

 一方、メジャーリーグで10年以上プレーしながら、これまではオールスター・ゲームに縁のなかったベテランもいる。7月13日に36歳となるシンス・チュー(テキサス・レンジャーズ)は14年目、34歳のニック・マーケイキス(ブレーブス)は13年目、35歳のJ.A.ハップ(トロント・ブルージェイズ)は12年目だ。34歳のジェド・ラウリー(オークランド・アスレティックス)も、トーレスの代替として、11年目に初めてオールスター・ゲームに選ばれた。

 なかでも、マーケイキスは「初のオールスター・ゲームまでに、最も多くの試合に出場した選手」となった。通算出場1928試合――選出時点なのでもう少し増える――は、ロン・フェアリーの1866試合やエイドリアン・ベルトレー(レンジャーズ)の1766試合を上回る。ちなみに、チューの通算出場は1408試合だ。

 メジャーデビューはチューの1年後だが、以来、マーケイキスはほとんど故障せずにプレーしてきた。シーズン出場155試合未満は2度――1年目の147試合と7年目の104試合――しかなく、昨シーズンまでの平均出場は153.3試合。まさに、無事是名馬だ。ゴールドグラブは2度受賞しているものの、タイトルには縁がなかったが、今シーズンは首位打者の可能性もある。

 なお、「オールスター・ゲームに一度も選ばれたことがなく、最も多くの試合に出場している現役選手」の称号は、マーケイキスの初選出により、マーク・レイノルズ(ワシントン・ナショナルズ)へ引き継がれた。トップに立った時点の通算出場は1562試合。メジャーリーグ12年目のレイノルズは、8月3日に35歳を迎える。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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