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クレメンス家の四男がタイガースに入団。長男、次男、三男はどうなった?

宇根夏樹ベースボール・ライター
左から、三男のケイシー、父のロジャー、四男のコーディ Jan 21, 2005(写真:ロイター/アフロ)

 6月25日、コーディ・クレメンスがデトロイト・タイガースに入団した。コーディはロジャー・クレメンスの四男だ。長男はコービー、次男はコーリー、三男はケイシー。歴代3位の4672三振を奪ったロジャーは、息子のイニシャルを「K」で揃えている。

 四男のコーディは、父の母校でもあるテキサス大の二塁手だった。今年は65試合に出場し、打率.351、出塁率.444、24本塁打。ドラフトでは3巡目・全体79位指名を受けた。3年前のドラフトでも、35巡目・全体1039位でヒューストン・アストロズから指名されている。

 長男のコービーは、2005年にアストロズから8巡目・全体254位で指名され、高校からプロ入りした。三塁手から捕手に転向し、一塁とレフトも守ったが、メジャーリーガーにはなれなかった。最後は独立リーグでプレーし、2012年には父とバッテリーを組んだ。また、コービーは高校時代に父の車――300勝の記念にニューヨーク・ヤンキースから贈られたオレンジ色のハマーを盗まれたこともある。高校に運転していった際、鍵を掛け忘れて盗難に遭ったが、無事に発見された。現在は「コービー・クレメンス・ベースボール・クリニックス」を立ち上げ、指導をしている。

 三男のケイシーは、昨年のドラフトでトロント・ブルージェイズから8巡目・全体249位指名を受け、現在はブルージェイズ傘下のA+でプレーしている。ポジションは一塁だ。プロ入りする前は、テキサス大で四男とチームメイトだった。こちらも、2013年にアストロズから35巡目・全体1037位で指名されている。

 次男のコーリーだけは、ベースボールとは無関係だ。2013年に「Katch 22」というレストランを開店し、共同オーナー&シェフを務めていたが、翌年に閉店した。開店時に、ヒューストン・クロニクルのグレグ・モラゴが発表した記事によると、コーリーは釣りによく出かけ、冬には狩猟もするし、ボウリングも好きだという。ただ、ベースボールをしていたかどうかは書いてない。

筆者作成
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 父と息子3人がプロ入りしたのはそれぞれ違う球団だが、息子は3人とも高校生の時にアストロズから指名された(父は1981年にニューヨーク・メッツから12巡目・全体289位で指名された)。今のところ、メジャーリーグでプレーしたのも、ステロイド疑惑にまみれたのも、父のロジャーだけだ。ちなみに、父は通算31安打を放ち、ポストシーズンでも2安打を記録したが、そのなかにホームランはない。メジャーリーグでクレメンス家の初アーチを打つのは、三男だろうか、四男だろうか。

 6月30日、四男はタイガース傘下のA、ウエストミシガン・ホワイトキャップスの「3番・二塁」として、プロ・キャリアをスタートさせた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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