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大谷翔平を上回る二刀流!? リリーフ投手が3打数続けてホームランを放ち、3本目はグランドスラム!!

宇根夏樹ベースボール・ライター
マイケル・ロレンゼン(シンシナティ・レッズ)Jun 30, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 マイケル・ロレンゼン(シンシナティ・レッズ)はリリーフ投手だ。今シーズンは15試合に登板して計23.1イニングを投げ、防御率1.93を記録している。だが、彼の役割はそれだけではない。

 前日に3イニングを投げたこともあり、6月30日は登板しなかったが、代打としてグランドスラムを放った。投手出場時を含め、今シーズン3本目のホームランだ。しかも、6月24日と29日のソロ本塁打に続く、3打数連続アーチ(1四球を挟む)。今シーズン、代打の5打席は4打数3安打、2本塁打、1四球、登板した試合の2打席も2打数1安打、1本塁打だ。その一方で、打たれたホームランはない。

 もともと、カリフォルニア州立大フラートン校では、クローザーと外野手の二刀流だった。投げては、通算42登板で防御率1.61、35セーブ。打っては、通算164試合で打率.324、出塁率.394、11本塁打、10三塁打、39二塁打。45盗塁も記録している。投打・二刀流の大学生に贈られる「ジョン・オルルード賞(John Olerud Two-Way Player of the Year Award)」にノミネートされたこともあり、過去2年もホームランを1本ずつ打っている。

 まだ26歳なので、これから大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)のような二刀流をめざしても、遅くない気もする。ちなみに、大谷は4月に3試合続けてホームランを打ったが、3打数連続ではなく、10打数で3本だった。

 それはともかく、投手による3打数連続ホームランは、2001年のマイク・ハンプトン以来だ(ロレンゼンは2打数が代打、ハンプトンは3打数とも投手として)。ストリークをさらに伸ばして4打数連続とすれば、メジャーリーグ記録に並ぶ。これを成し遂げている選手は、調べた限りでは40人前後いるが、そのなかに投手は見当たらなかった。

 なお、今シーズン、グランドスラムを放ったレッズの投手は、ロレンゼンだけではない。ロレンゼンのちょうど1週間前に、先発投手のアンソニー・デスクラファーニが記録している。ただ、ロレンゼンと違い、こちらはキャリア初のホームランだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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