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フィリーズ黄金時代の選手がまた一人、ユニフォームを脱ぐ。残る現役選手は3人

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジェイソン・ワース August 23, 2009(写真:ロイター/アフロ)

 ジェイソン・ワースが、選手生活に終止符を打つようだ。ファンクレッド・スポーツのジョン・ヘイマンが報じている。その記事によると、ワースは引退の言葉は口にしていないものの、6月27日に電話で「終わった…それをどう呼ぼうとも」「後悔はない」とヘイマンに言ったという。

 ワースは4月3日にシアトル・マリナーズとマイナーリーグ契約を交わし、25日からAAAでプレーしていたが、太腿の故障により、6月9日に故障者リストへ入った。マリナーズからの発表はまだないが、このままキャリアを終えるのだろう。

 2007年から2011年にかけて、フィラデルフィア・フィリーズは地区5連覇を果たし、2008年はワールドチャンピオンとなり、2009年もワールドシリーズまで駒を進めた。ワースがフィリーズでプレーしたのは2007~2010年なので、そのすべてには関わっていない。けれども、ワースは間違いなく、フィリーズの黄金時代を支えた一人だった。

 この4年間の成績は、打率.282、出塁率.380、95本塁打、60盗塁。外野の守備では、37補殺を記録した。2m近い大柄な選手で、フォロースウィングも大きかったが、選球眼とスピード、強肩も備えていた。

 フィリーズの選手として、2008年と2009年のどちらのワールドシリーズにも出場した選手は16人を数える。ワースの引退により、今もプレーしているのは――正式に引退を表明していない選手は他にもいるが――チェイス・アトリー(ロサンゼルス・ドジャース)、コール・ハメルズ(テキサス・レンジャーズ)、ライアン・マドソン(ワシントン・ナショナルズ)の3人となる。

 アトリーはワースと同じ39歳(生まれたのはアトリーが5ヵ月早い)。ハメルズとマドソンの両投手はワースより若いものの、こちらも34歳と37歳のベテランだ。

 なお、フィリーズの黄金時代に関わり、当時はユニフォームを着ていなかったものの、現在はユニフォーム姿でフィールドに立っている者もいる。2008年のオフにGM補佐からGMとなったルーベン・アマロJr.は、元メジャーリーガーであることからすれば不思議ではないが、現在はニューヨーク・メッツで一塁コーチを務めている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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