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「1粒で2度おいしい」ならぬ「1球で2度痛い」。ファウルが身体の2ヵ所に続けて当たる

宇根夏樹ベースボール・ライター
ヤン・ゴームス(左)とニコ・グッドラム May 14, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月26日にニコ・グッドラム(デトロイト・タイガース)が味わった思いは、「1粒で2度おいしい」ならぬ「1球で2度痛い」だった。

 この試合の2打席目のことだ。グッドラムが打ったボールは真下に向かい、前足の甲を直撃して上へ跳ねた。グッドラムは前方へつんのめり、ヘルメットが脱げた。その頭に、上から落ちてきたボールが当たった。

 幸いにも、足も頭も怪我には至らず、グッドラムは――ニコだからニコニコしたわけではないだろうが――苦笑いを浮かべた後、そのまま試合に出続けた。

 一方、約1ヵ月前のマーウィン・ゴンザレス(ヒューストン・アストロズ)は、足に当たったのとファウルという点はグッドラムと同じながら、2度当たったのは身体ではなかった。スウィングしたバットに当たったボールは、後ろ足の爪先に当たって上へ跳ね、フォロースウィングのバットに再び当たり、前方へバウンドした。

 こちらも、怪我はなかった。

 ちなみに、グッドラムとゴンザレスは、どちらも内外野を守るユーティリティ・プレーヤーだ。スイッチ・ヒッターであることも、1球で2度、グッドラムは身体、ゴンザレスはバットに当たった時、左打席に入っていた点も共通している。

 ただ、ベン・ゾブリスト(シカゴ・カブス)も内外野をこなすスイッチ・ヒッターだが、1球で身体あるいはバットに2度当たったことがあるかどうかは、定かではない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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