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ドラフト全体4位の身長は170cm。これほど背の低い選手がこんなに高い順位で指名されるのは史上初!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジョーイ・コーラ(左)とライアン・クリステンソン June 11, 1998(写真:ロイター/アフロ)

 今年のドラフトで、オレゴン州立大の二塁手、ニック・マドリガルはシカゴ・ホワイトソックスから全体4位指名を受けた。マドリガルの身長は、5フィート7インチ(約170cm)もしくは5フィート8インチ(約173cm)だ。

 過去に1巡目で指名された選手には、マドリガルと同じく、5フィート7インチあるいは5フィート8インチのジョーイ・コーラ(1985年・全体23位)がいる。コーラは現在、ピッツバーグ・パイレーツで三塁コーチを務めている。だが、全体1位から5位までのトップ5に限ると、マドリガルの身長は史上最も低いと思われる(トップ10やトップ20でも、そうかもしれない)。ロニー・スミス(1974年・全体3位)とマット・ブッシュ(2004年・全体1位/現テキサス・レンジャーズ)は、5フィート9インチ(約175cm)だ。

 ちなみに、ボストン・レッドソックスのアレックス・コーラ監督はジョーイの弟だが、身長は兄より高く(6フィート=約183cm)、ドラフト順位は兄より低かった(1996年3巡目・全体88位)。また、レッドソックスのダスティン・ペドロイアムーキー・ベッツは、ともに5フィート9インチ。彼らは2004年の2巡目・全体65位と2011年の5巡目・全体172位だ。

 ホゼ・アルトゥーベ(ヒューストン・アストロズ)はマドリガルよりも低い5フィート6インチ(約168cm)ながら、ベネズエラ出身なので、ドラフトを経ていない。アルトゥーベとチームメイトのトニー・ケンプも同じく5フィート6インチで、こちらはドラフトにかかっているものの、2013年にアストロズから指名されたのは5巡目・全体137位だった。

 大学時代のマドリガルの成績を見ると、打率だけでなく出塁率も非常に高い。スピードも備え、本塁打は多くないが、パワーも皆無ではないようだ。昨シーズンは60試合で20本の二塁打を放っている。順調にいけば、数年後には、マドリガルとアルトゥーベが二塁ベース付近で並ぶ姿を目にすることができるだろう。

 なお、マドリガルの全体4位指名は、オレゴン州立大の選手では史上最高位だ。身長と違い、こちらに曖昧なところはない。4年前にニューヨーク・メッツから指名された、マイケル・コンフォート(6フィート1インチ=約185cm)の全体10位を上回った。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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