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投手コーチは元投手…ではないこともある

宇根夏樹ベースボール・ライター
デイナ・ラバンジー投手コーチ(右端)May 5, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 現在のメジャーリーグには、各球団1人、計30人の投手コーチがいる。そのうち、29人は元投手だ。ミルウォーキー・ブルワーズのデレク・ジョンソンはプロで投げてはいないが、大学を卒業するまでは左投手だった。

 例外は、ボストン・レッドソックスのデイナ・ラバンジーだ。選手時代はレッドソックス傘下のマイナーリーグで、捕手として投手の球を受けた。その後、レッドソックスのブルペン捕手、スカウト、ブルペン・コーチを経て、昨年11月、投手コーチに就任した。

 数は少ないものの、元投手ではない投手コーチは、ラバンジーが最初ではない。レッドソックスでは、1994年のマイク・ロークもその一人。元捕手のロークは、レッドソックス以外の数球団でも投手コーチを務めた。1952~53年にレッドソックスの投手コーチだったビル・マッケニーは、内野手としてメジャーリーグでプレーした。

 また、元捕手のデーブ・ダンカンは、クリーブランド・インディアンズ、シアトル・マリナーズ、シカゴ・ホワイトソックス、セントルイス・カーディナルスの4球団で、30年以上にわたって――その大半はトニー・ラルーサ監督の下で――投手コーチを務めた。現在は、ホワイトソックスのフロントにいて、ピッチング・コンサルタントの肩書きを持つ。

 ただ、ダンカンの息子、シェルビークリスは父と同じくメジャーリーガーになったが、ポジションは捕手でも投手でもなく、外野両翼と一塁を守った。シェルビーは今シーズン、アリゾナ・ダイヤモンドバックス傘下のAA、ジャクソン・ジェネラルズで指揮を執っている。父はマイナーリーグでもメジャーリーグでも、監督の経験はない。

 なお、ブルペン・コーチも元投手が多いが、投手コーチほどではなく、現在の30人のなかにも元捕手が何人かいる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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