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服装検査に引っかかるのは…中学生や高校生ばかりではなくメジャーリーガーも

宇根夏樹ベースボール・ライター
ブランドン・モロー(手前)とウィルソン・コントレラス Apr 27, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ベン・ゾブリスト(シカゴ・カブス)がインスタグラムに、コミッショナー事務局から送られてきた警告の手紙をアップした。それによると、5月2日の試合で履いていたスパイクが、ユニフォームの規則に違反しているという。規則では、表面の少なくとも51%がチームの主要カラーと定められている。カブスの場合は青だ。それに対し、ゾブリストのスパイクは全体が黒かった。

 チームメイトのウィルソン・コントレラスは、ベネズエラの国旗を描いたアーム・スリーブが違反だと、手紙で警告された。カブスの選手だけでなく、マイク・クレベンジャー(クリーブランド・インディアンズ)もスパイクに関する警告の手紙を受け取っている。

 もちろん、何らかの規則は必要だろう。例えば、ボール柄のユニフォームなど、プレーに影響を及ぼすものが禁止されているのはわかる(投手がそれを着ていたら、打者は投球が見にくくなる)。ただ、そうでなければ、目くじらを立てることはないのではと思う。

 ゾブリストは、警告の手紙、黒いスパイクの写真、それを履いたユニフォーム姿の写真をアップするとともに、コミッショナー事務局に向けた文章も綴っている。そこには、先人に敬意を表して数年前からリグリー・フィールドのデーゲームで黒いスパイクを履いていること、子供の頃にアーニー・バンクススタン・ミュージアルといった1950~60年代の偉大な選手のハイライトシーンを観て印象を受けたこと、彼らは黒いスパイクを履いていたこと、などが書いてある。

 クレベンジャーのスパイクに深い意味はないようだが、彼自身のツイートによれば「ベースボールに楽しさを再び」の一環らしい(下のツイートはスパイクをデザインしたアーティストによるもの)。コントレラスのアーム・スリーブについては、説明不要だろう。ベネズエラでは、メジャーリーガーをめざす子供が増えるかもしれない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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