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史上初の「40本塁打カルテット」は誕生するか。ヤンキースには開幕40試合で2ケタ本塁打が4人

宇根夏樹ベースボール・ライター
ゲリー・サンチェス(左)とジャンカルロ・スタントン May 13, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 5月13日、ジャンカルロ・スタントン(ニューヨーク・ヤンキース)がシーズン10本目のホームランを放った。この日はチーム40試合目。本塁打を2ケタに乗せたヤンキースの選手は、スタントンが4人目だ。チーム25試合目のディーディー・グレゴリアスが最も早く、アーロン・ジャッジゲリー・サンチェスはそれぞれ、38試合目と39試合目に到達した。イライアス・スポーツ・ビューローによれば、同じチームの4人が40試合目までに2ケタ本塁打を記録したのは、2003年のテキサス・レンジャーズ以来だ。

 162試合の4分の1に当たる40試合で10本塁打ということは、このペースのままなら、シーズンの終わりには40本に達する。4人が揃えば、史上初の「40本塁打カルテット」誕生だ。

 その鍵を握るのは、サンチェスとグレゴリアスだろう。昨シーズンの本塁打は4人ともキャリアハイだが、スタントンの59本とジャッジの52本に対し、サンチェスは33本、グレゴリアスは25本だった。

 サンチェスは出場122試合で33本塁打なので、150試合に出場すれば40本に達してもおかしくない。ただ、捕手というポジションを考えると、DH出場を含めても150試合は超えそうにない。実際、ここまでの出場はチーム40試合中36試合。このペースだと、シーズン全体では145試合前後となる。一方、グレゴリアスは出場136試合で25本塁打。162試合にフル出場しても40本に届かないペースだ。また、今シーズンは4月に10本塁打を放ったものの、5月はまだ0本。打率も急降下している。

 サンチェスが40本塁打に達することはあっても、グレゴリアスは難しそうだ。「40本塁打トリオ」は過去に3組。1973年のアトランタ・ブレーブス(デービー・ジョンソン=43本、ダレル・エバンス=41本、ハンク・アーロン=40本)、1996年のコロラド・ロッキーズ(アンドレス・ガララーガ=47本、ビニー・キャスティーヤ=40本、エリス・バークス=40本)とその翌年のロッキーズ(ラリー・ウォーカー=49本、ガララーガ=41本、キャスティーヤ=40本)で結成された。ちなみに、チームで3人に次いで本塁打が多かったのは、1973年のブレーブスがダスティ・ベイカー(21本)で、ロッキーズは1996年がダンテ・ビシェット(31本)、1997年はバークス(32本)だった。

 また、2003年のレンジャーズで40試合目までに2ケタ本塁打を記録した4人のうち、シーズン40本に到達したのは、47本のアレックス・ロドリゲスしかいなかった。ラファエル・パルメイロは40本まで2本に迫ったものの、ホアン・ゴンザレスは右ふくらはぎの故障で7月20日以降を欠場し、24本に終わった。カール・エベレットは7月頭にシカゴ・ホワイトソックスへ。移籍後の10本を含めても、シーズン28本にとどまった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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