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大谷翔平が3度目のマウンドへ上がる前に。日本人投手によるデビューからの連勝記録など

宇根夏樹ベースボール・ライター
石井一久/ドジャー・スタジアム FEB 8, 2002(写真:ロイター/アフロ)

 4月15日のカンザスシティ・ロイヤルズ戦で、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)はメジャーリーグ3試合目のマウンドに上がる。最初の2先発は、どちらもクオリティ・スタート(QS)を記録し、白星を挙げた。現時点の防御率は2.08、奪三振は18だ(QSがわからないという方は、2月に書いたこちらを。「大谷翔平からメジャーリーグを観ようと思っている人へ【その4】クオリティ・スタート(QS)について」)。

 最初の3登板とも先発した日本人投手は、1995年の野茂英雄から2016年の前田健太(ロサンゼルス・ドジャース)まで、13人を数える。そのうち、3試合とも白星を挙げたのは、2002年の石井一久だけだ。1997年の伊良部秀輝と2009年の上原浩治(現・読売ジャイアンツ)は最初の2試合で2勝したが、2人とも3試合目に黒星を喫した。

 石井は3戦3勝のみならず、最初の6試合で6勝を挙げた。2014年の田中将大(ニューヨーク・ヤンキース)もデビューから6連勝したが、その間に、勝敗がつかなかった2試合を挟んでいる。

 3試合連続QSは、3人が記録している。2007年の松坂大輔(現・中日ドラゴンズ)は3試合連続、前田は4試合連続にとどまったが、田中はQSを16試合続け、1973年にスティーブ・ロジャースが作った、デビューからの最長記録(自責点が公式記録となった1912年以降)に肩を並べた。田中は17試合目も、6イニングを投げ終えた時点では自責点3だったが、7回裏に4点目を許した。

 最初の3登板とも、白星とQSを揃って記録した日本人投手は、まだいない。

 13人中、3先発を終えた時点の防御率ベスト3は、前田(0.47)、石井(1.53)、1998年の吉井理人(2.00)だ。この3人は、最初の2試合とも自責点がなく(吉井は1失点)、防御率0.00で3試合目を迎えた。奪三振のトップ3は、田中(28)、松坂(24)、石井(21)。田中は2試合目と3試合目、松坂は1試合目と3試合、石井は1試合目に、それぞれ10三振を奪った。

 大谷の防御率は、3登板目に9イニングを完封しても0点台にはならないが、5イニング以上を投げて自責点ゼロなら、石井の1.53より低くなる。また、11三振を奪えば、田中の奪三振28を上回る。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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