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大谷翔平からメジャーリーグを観ようと思っている人へ【その1】プレーオフ進出チームは全体の3分の1

宇根夏樹ベースボール・ライター
地区優勝を決めたロサンゼルス・ドジャース Sep 22, 2017 (写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 メジャーリーグには30チームがあり、アメリカン・リーグ(ア・リーグ)とナショナル・リーグ(ナ・リーグ)に、それぞれ15チームが属している。チーム数こそ違うものの、日本プロ野球の2リーグ制と同じだ。DH(指名打者)の有無も、日本プロ野球と共通する。ア・リーグはDHがあり、ナ・リーグにはない。

 さらに、ア・リーグとナ・リーグは、それぞれ3地区に分かれている。東地区、中地区、西地区に5チームずつ。大谷翔平が入団したロサンゼルス・エンジェルスは、ア・リーグ西地区のチームだ。

 各チームは162試合のレギュラーシーズンを戦い、それぞれの地区で最も勝率の高いチームが「地区優勝」となる。プレーオフ(ポストシーズン)に出場するのは、地区優勝チームだけではない。ア・リーグの15チームから地区優勝3チームを除いた12チームのなかで、最高勝率のチームとそれに次ぐ勝率のチームが「ワイルドカード」としてプレーオフへ進む。ナ・リーグも同じだ。

 ア・リーグもナ・リーグも、それぞれ15チームのうち、プレーオフに進出するのは地区優勝3チームとワイルドカード2チームの計5チームなので、全体の3分の1だ。ただし、プレーオフ進出5チームと勝率上位5チームが、一致するとは限らない。

 実際、2012年のア・リーグでは、勝率7位のデトロイト・タイガースがプレーオフに進出し、5位のタンパベイ・レイズはプレーオフへ進めなかった。中地区優勝のタイガースは、勝率にかかわらずプレーオフへ。東地区3位のレイズは、東地区2位のボルティモア・オリオールズと西地区2位のテキサス・レンジャーズよりも勝率が低く、ワイルドカードを逃した。

 なお、地区3位でもワイルドカードはあり得る。同地区の3チームが揃ってプレーオフに出場した例は、これまでに4度を数える。直近では、昨年のナ・リーグ西地区がそう。ロサンゼルス・ドジャースが地区優勝を果たし、地区2位のアリゾナ・ダイヤモンドバックスと地区3位のコロラド・ロッキーズがワイルドカードを手にした。

 ワイルドカードが2チーム(2リーグ計4チーム)に増えたのは、2012年だ。以降の6年間に、30チーム中24チームが少なくとも1度はプレーオフに出場した。最多は5度のドジャース。2013年から地区優勝を5年続けている。このスパンにおけるエンジェルスのプレーオフ出場は、2014年(地区優勝)の1度だ。一方、過去6年間にプレーオフに出場していない6チーム中、シアトル・マリナーズは最もプレーオフから遠ざかっている。イチローがメジャーデビューした2001年の地区優勝を最後に、16年続けてプレーオフに進めずにいる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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