Yahoo!ニュース

メジャーリーガーの「プロポーズ大作戦」あれこれ。ワールドシリーズで敗れていたら、あのプロポーズは……

宇根夏樹ベースボール・ライター
カルロス・コレイア(ヒューストン・アストロズ)Nov 1, 2017(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ワールドシリーズ優勝の直後、フィールドでインタビューを受けていたカルロス・コレイア(ヒューストン・アストロズ)は、全米に映像が流れるなか、片膝をついて、昨年のミス・テキサスUSAに婚約指輪を差し出した。

 コレイアに限らず、他のメジャーリーガーも、それぞれに趣向を凝らしたプロポーズをしている。

 アンドルー・マッカッチェン(ピッツバーグ・パイレーツ)は、彼女とテレビのトーク番組に出演していた時にプロポーズをした。エルビス・アンドゥルース(テキサス・レンジャーズ)は、薔薇の花びらを敷いた部屋で片膝をついた。マイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)は、プロポーズの言葉を飛行機雲で綴った。トラウト自身が飛行機を操縦していたわけではない。おそらく、タイミングを見計らって「空を見てごらん」とでも言ったのだろう。

 ディナード・スパン(サンフランシスコ・ジャイアンツ)のプロポーズは、手が込んでいた。今年2月にサンフランシスコ・クロニクルのヘンリー・ショールマンが書いた記事によると、スパンの「プロポーズ大作戦」は以下のとおりだ。

 年越しを祝うため、マイアミのホテルにチェックインした2人は、ディナーに出かけた。すると、食事中に携帯電話が鳴った。事故によって部屋が水浸しになったので、別の部屋に移ってほしいということだった。ホテルに戻って新しい鍵を受け取り、部屋のドアを開けると、そこには薔薇の花びらが敷いてあり、シャンパンが用意されていた。とまどって他の人の部屋ではないかと訊ねる彼女に、スパンはプロポーズをした。ちなみに、彼女は2014年のオリンピックで、アイスホッケーのUSA代表として銀メダルを手にしている。

 アレックス・カッブ(FA)はイルカの助けを借りた。カッブと彼女が泳いでいたところ、ブイを口にくわえたイルカが彼女のもとにやってきた。ブイには「ケリー、僕と結婚してくれないか?」と書いてあった。

 日本でプロポーズをしたのは、ブレンダン・ライアン(デトロイト・タイガース)だ。今シーズンはAAAで過ごしたが、2012年に日本開幕シリーズが行われた当時、ライアンはシアトル・マリナーズの正遊撃手だった。このシリーズは7打数1安打ながら、開幕戦の11回表に先頭打者として二塁打を放ち、勝ち越しのホームも踏んだ。

 プロポーズの舞台に、ハンター・ペンス(ジャイアンツ)はディズニー・ワールド、ジャスティン・ターナー(ロサンゼルス・ドジャース)はグランド・キャニオンを選んだ。

 ツイートから、その場には撮影した人物もいたと思われる。それよりも気になるのは、ワールドシリーズ第7戦に敗れていたら、コレイアはどうしていたかということだ。

 彼女とともに、スカイプを通じてNBCテレビのトーク番組に出演したコレイアは、そのことを司会者に訊かれ「プランAがうまくいってよかった。プランBはなかったから」と答えた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事