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セーブを挙げた翌日に先発マウンドへ。レイズの右腕が33年ぶりの「連投」

宇根夏樹ベースボール・ライター
エラスモ・ラミレス(タンパベイ・レイズ)May 19, 2017(写真:USA TODAY Sports/アフロ)

エラスモ・ラミレス(タンパベイ・レイズ)は「エブリデイ・エラスモ」の異名を持つ。

昨シーズンの64登板(リリーフ63試合、先発1試合)は、レイズで最も多かった。2日連続の登板は11度を数え、3日連続も1度あった。しかも、リリーフ登板の55.6%(35/63)で1.1イニング以上を投げた。

これだけでも「エブリデイ・エラスモ」と呼ぶには十分だが、今シーズンのラミレスは新たな領域に入った。5月28日に延長15回裏から1イニングを投げてセーブを挙げ、その翌日は先発投手としてマウンドに上がった。

イライアス・スポーツ・ビューローによると、セーブを記録した翌日に先発登板するのは、1984年6月9~10日のスティーブ・ファー(クリーブランド・インディアンズ)以来のことだ。実に33年ぶりとなる。ラミレスは最初の2イニングで4点を失い、3回途中で降板したが、レイズは逆転勝利を収めた。

今シーズン、ラミレスはスウィングマンとして投げている。ここまでの登板はリリーフが12試合、先発が4試合。今後もまた、リリーフ&先発の連投があるかもしれない。くれぐれも、故障には気をつけてほしいものだ。

なお、「エブリデイ・エラスモ」のニックネームは、頭韻も踏んでいる。エブリデイ(EVERYDAY)とエラスモ(ERASMO)の「E」だ。現在はミネソタ・ツインズでブルペン・コーチを務めるエディ・ガーダッドも、選手時代は「エブリデイ・エディ(EDDIE)」と呼ばれていた。

ガーダッドはツインズ時代の1996~2003年に、8年続けて60試合以上に登板した。これよりも長いストリークを記録した投手は何人かいるものの、同一チームでとなると、ガーダッドを上回るのは、ニューヨーク・ヤンキースで9年続けて60試合以上に投げたマリアーノ・リベラ(2003~11年)しかいない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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