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イチローは15年前にも、まったく同じ日に「イマキュレイト・イニング」に関わっていた

宇根夏樹ベースボール・ライター
イチロー(マイアミ・マーリンズ)APRIL 11, 2017(写真:USA TODAY Sports/アフロ)

ロサンゼルス・ドジャースのケンリー・ジャンセンが、5月18日に今シーズン4人目の「イマキュレイト・イニング」を達成した。これは、投手が1イニングに9球を投げ、打者3人をいずれも3球三振に仕留めることを指す。ジャンセンはマイアミ・マーリンズ戦の8回表2死から登板し、最初の打者を5球で三振させた後、9回表にデレク・ディートリックJ.T.リドル、そして、代打として登場したイチローにそれぞれ3球を投げ、3三振を奪った。

イチローがメジャーリーグで「イマキュレイト・イニング」に名を連ねるのは、これが2度目だ。15年前にボストン・レッドソックスのペドロ・マルティネスが記録した時、イチローは試合が始まった直後に三振を喫した。

投手としてもそうだが、打者として2度の「イマキュレイト・イニング」に関わるのも稀なことだ。しかも、イチローの場合は、どちらも5月18日の試合だった。

もしかしたら、同じ日付に2度というのは史上初ではないか――。そう思って調べたところ、他にもいた。

アトランタ・ブレーブスのブランドン・フィリップスは、シンシナティ・レッズ時代に2年続けて、5月17日の試合で「イマキュレイト・イニング」に関わった。その上、フィリップスは3打者の2人目という点まで共通する。

フィリップスは5月17日に2度、イチローは5月18日に2度だが、この2日間は「イマキュレイト・イニング」の特異日というわけではない。4月18~19日と8月22~23日はそれぞれ5度ずつ起きているのに対し、5月17~18日はこの4度だけだ。

なお、日付にかかわらず、3度の「イマキュレイト・イニング」で三振を喫した打者は、まだ誰もいない(投手はサンディ・コーファックスが3度達成)。

43歳のイチローよりは若いとはいえ、フィリップスも6月下旬には36歳となる。彼らがフィールドで迎える5月17日あるいは5月18日は、あと何度あるだろうか。そう考えると、3度目に最も近いのは、ボルティモア・オリオールズのジョナサン・スコープかもしれない。まだ25歳ながら、スコープは2014年5月に続いて今年4月にも「イマキュレイト・イニング」に関わった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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