ワールドチャンピオンの法則? 4勝0敗で勝ち上がったチームの優勝は12.5%、4勝1敗だと77.8%

クリーブランド・インディアンスがワールドシリーズへ進出 Oct 19, 2016(写真:USA TODAY Sports/アフロ)

リーグ・チャンピオンシップ・シリーズ(リーグ優勝決定シリーズ)は、1985年より、それまでの「ベスト・オブ・ファイブ(3戦先勝)」から「ベスト・オブ・セブン(4戦先勝)」に変更された。

以降、昨年までに8チームがスウィープ(4戦4勝)で相手を一蹴し、ワールドシリーズへ駒を進めた。ところが、そのなかでワールドチャンピオンまで駆け上がったのは1995年のアトランタ・ブレーブスしかなく、確率にすると12.5%に過ぎない。

一方、4勝1敗でリーグ・チャンピオンシップ・シリーズを終えたチームは15を数える。そのなかから、両リーグとも4勝1敗だった1989年、2001年、2002年の計6チーム(2チーム×3年)を、いずれか一方がワールドシリーズで優勝するので除くと、残る9チーム中、ワールドシリーズを制したのは7チーム、確率は77.8%となる。

今年のクリーブランド・インディアンスは、3勝0敗で第4戦に臨み、トロント・ブルージェイズをスウィープする可能性もあったが、そうはならず、4勝1敗でワールドシリーズ進出を決めた。これまでの例からすると、第4戦の黒星はワールドシリーズ制覇の確率をかなり高めたと言える。

もちろん、サンプル数は少ない。しかし、4勝0敗と4勝1敗でワールドシリーズ優勝の確率がこれほど異なるのは、それだけが理由だろうか。

スウィープでリーグ・チャンピオンシップ・シリーズを制すると、ワールドシリーズが始まるまでの日数が長く、実戦感覚が鈍る? 

この説には、一理ありそうだ。

ジム・リーランド監督率いるデトロイト・タイガースは、2006年にリーグ・チャンピオンシップ・シリーズを4勝0敗で駆け抜けながら、ワールドシリーズでは1勝しかできなかった。2012年に再び4勝0敗で勝ち上がった際、リーランド監督は同じ轍を踏むまいと考え、ワールドシリーズを待つ間に傘下のマイナーリーガーをデトロイトに呼び寄せて「紅白戦」を行った。にもかかわらず、タイガースはワールドシリーズでサンフランシスコ・ジャイアンツにスウィープされた。実戦感覚を保つのに、マイナーリーガーが相手では不十分だったのかもしれない。2006年も2012年も、ワールドシリーズで優勝したチームは4勝3敗でリーグ・チャンピオンシップ・シリーズを制した。

とはいえ、4勝0敗と4勝1敗では、雨などで第5戦が順延しない限り、ワールドシリーズが始まるまでは1日しか変わらない。第4戦と第5戦は、間を置かずに同じ球場で行われる。

もう一つ、理由として考えられるのは、こういう流れだ。

(1)スウィープでリーグ・チャンピオンシップ・シリーズを制したチームが、ワールドシリーズで勝てないことが、たまたま重なる。

(2)メディアがそのことに気づいて報じる。

(3)監督や選手がそのことを知る。

(4)スウィープでリーグ・チャンピオンシップ・シリーズを制したチームが、ワールドシリーズの序盤で負け越すと、監督や選手自身が、過去の例と同じように勝てないのではないかと、暗示にかかる。

(5)それと前後しつつ、過去の例と同じようになるのではないかとメディアが報じ、暗示に輪をかける。

なお、今年のワールドシリーズでインディアンスと当たる可能性のある2チームのうち、シカゴ・カブスは4勝2敗か4勝3敗、ロサンゼルス・ドジャースは4勝3敗で勝ち上がってくる。過去の例からすると、4勝2敗のワールドシリーズ優勝は60.0%、4勝3敗は45.5%の確率だ。