13人のレコード・ホルダーのうち、福本豊と石井琢朗は安打のフランチャイズ・レコードも持つ。福本は阪急ブレーブス一筋にプレーし、2543安打＆1065盗塁。石井は横浜大洋ホエールズ／横浜ベイスターズで2307安打＆355盗塁を記録した（その後、広島東洋カープで125安打＆３盗塁）。メジャーリーグで安打と盗塁のフランチャイズ・レコードが同じ選手に保持されているのは６球団。デトロイト・タイガースのタイ・カッブ、サンディエゴ・パドレスのトニー・グウィン、ニューヨーク・ヤンキースのデレク・ジーターらとともに、イチローもシアトル・マリナーズの記録（2533安打＆438盗塁）を持っている。

中日ドラゴンズでは、荒木雅博がシーズン10盗塁目で高木守道を追い抜く。昨シーズンの荒木は９盗塁ながら、2014年までは14年続けて２ケタ盗塁を決めている。また、東北楽天ゴールデンイーグルスの聖澤諒はすでにフランチャイズ・レコード保持者だが、９盗塁を加えれば200盗塁に到達する。メジャーリーグでは、エルビス・アンドゥルース（テキサス・レンジャーズ）が自身の持つ217盗塁のフランチャイズ・レコードをさらに伸ばしそうだが、今シーズン、新たなレコード・ホルダーが誕生することはないだろう。ちなみに、松井稼頭央はメジャーリーグで102盗塁を記録しているものの、プレーした３球団いずれでもトップ10には入っていない。ニューヨーク・メッツで記録した22盗塁は球団47位タイ、コロラド・ロッキーズの40盗塁は17位タイ、ヒューストン・アストロズの40盗塁は41位だ。

なお、「スーパーカー・トリオ」が横浜で稼いだ盗塁は――３人のなかに球団最多がいると思っていたのだが――屋鋪要が317、高木豊が313、加藤博一は105だ（トリオでなかったシーズンも含む）。1985年は屋鋪が58盗塁、高木が42盗塁、加藤が48盗塁を決めており（セ・リーグ盗塁王は広島の高橋慶彦で73盗塁。翌年、村上龍の「走れ！ タカハシ」が出版された）、同じシーズンにチームメイト３人以上が40盗塁に達したのは、日本プロ野球ではこの１度きり。メジャーリーグでは何度かあるが、1990年にモントリオール・エクスポズでオーティス・ニクソンが50盗塁、ティム・レインズが49盗塁、デライノ・デシールズが42盗塁を記録したのを最後に、ここ四半世紀は途絶えている。

●NPBフランチャイズ・レコード（本塁打、安打、勝利、セーブ）

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