日本プロ野球初の「40本塁打&40盗塁」は誕生するか。MLBで達成した選手たちのデータから検証する

柳田悠岐 NOVEMBER 15, 2014(写真:アフロスポーツ)

パ・リーグのMVPに選ばれた柳田悠岐(福岡ソフトバンク・ホークス)は、来シーズンの目標に「40本塁打、40盗塁、全試合出場」を掲げた。

これまでに、日本プロ野球で「40-40」(40本塁打&40盗塁/フォーティ・フォーティ)を達成した選手はいないが、メジャーリーグでは1988年のホゼ・カンセコを筆頭に、バリー・ボンズ(1996年)、アレックス・ロドリゲス(1998年/現ニューヨーク・ヤンキース)、アルフォンソ・ソリアーノ(2006年)の4人が成し遂げている。マイナーリーグは古いデータに不備があるものの、ジョージ・スプリンガー(ヒューストン・アストロズ)が2013年にAAとAAAの計135試合で37本塁打と45盗塁を記録した時、マイナーリーグの公式ページが発表した記事によれば、1930~50年代に4人が達成しているという。韓国のKBOリーグでも、今シーズン、NCダイノスのエリック・テームズが史上初の達成者となった。

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現在、日本プロ野球のレギュラーシーズンは143試合だ。メジャーリーグはア・リーグが1961年に従来の154試合から162試合に増やし、ナ・リーグも1962年に続いた。メジャーリーグにおいて、チーム147試合目までに40-40を成し遂げた選手はいない。リーグのレベルや傾向は脇に置き、カンセコら4人が現在の日本プロ野球でプレーし、達成シーズンと同じペースで本塁打と盗塁を積み重ねていったとしても、40-40には届かなかった計算になる。

また、148試合目に達成したソリアーノですら、670打席を要した。日本プロ野球で670打席以上は、昨シーズンの山田哲人(東京ヤクルト・スワローズ/685打席)と今シーズンの秋山翔吾(埼玉西武ライオンズ/675打席)を含め、13人しかいない。今シーズンに30-30を達成した2人のうち、柳田は605打席、山田は646打席だった。柳田は3番打者を務め、山田は前半戦が主に1番で、後半戦は3番に座った。彼らが打席数を増やすには、シーズンを通して1番あるいは2番を打つことが必要だろう。

もっとも、KBOリーグは日本プロ野球とほぼ同じ144試合だ。テームズは今シーズン、打順4番に座りながら、チーム142試合目、587打席目に40-40を達成した。これは、10.0打数に1本という驚異的な本塁打率が大きく起因している。柳田と山田の本塁打率は、それぞれ14.8打数/本と14.7打数/本だった。テームズの本塁打率は、メジャーリーグの達成者4人と比べても群を抜いている。

盗塁に関しては、柳田も山田も、試みる回数を増やせば、40の大台は見えてくる。言うほど簡単ではないが、狙えばできるだろう。カンセコとロドリゲスの2人は、40-40のシーズンを除くと、30盗塁をクリアしたことさえない。テームズに至っては、マイナーリーグとメジャーリーグ、KBOリーグのいずれにおいても、昨シーズンまでは15盗塁に達したことがなかった。カンセコの盗塁成功率が71.4%、ソリアーノは70.7%だったことからもわかるように、重要なのは成功率よりも試行数だ。カンセコはシーズン当初から、40-40を狙うと公言していた。

一方、本塁打の量産ペースをアップさせるのは難関だ。柳田と山田の本塁打率は今シーズンも決して低くなく、2ケタ本塁打の41人中、4位と5位に位置した。メジャーリーグの40-40達成者と比べても、カンセコ(14.5)よりわずかに劣るだけで、ロドリゲス(16.3)を凌ぐ。メジャーリーグでは、1973年にボンズの父ボビー、2002年にソリアーノとブラディミール・ゲレーロ、2011年にマット・ケンプ(現サンディエゴ・パドレス)が40-40まであと1本塁打に迫ったが、その本塁打率は4人とも、今シーズンの柳田と山田より低かった。

さらに、日本プロ野球にはこういったデータもある。これまでに40本塁打以上を記録した延べ115人のうち、同じシーズンに30盗塁をクリアしたのは、1950年の別当薫(43本塁打&34盗塁)と1987年の秋山幸二(43本塁打&38盗塁)の2人だけだ。この秋山を最後に、20盗塁どころか15盗塁さえも30年近く途絶えている。

ただ、狙わなければ達成できないだろうが、狙えば可能性の扉は開くはずだ。カンセコが40-40を達成したそのオフ、57歳になっていたミッキー・マントルはこう口にしたという。「あんなに大したことになるとわかっていれば、5度か6度はやっていた」