■「辛いときに支えてくれた」は“恋愛結婚”ならでは?

保険マンモス株式会社のアンケート調査で、「結婚の決め手&破局の決め手!男女500人に聞いた異性のグッときたことと幻滅したこと」というニュースリリースが発表されていました(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000035.000096733.html)。調査対象は、結婚・破局(離婚を含む)を経験された男女各250人とのこと。

別の最新の調査で、「婚活で結婚した人」は、全体の約16%と公表されていますので(リクルートブライダル総研「婚活実態調査2021」による)、今回のアンケート調査内容の8割以上の回答が、いわゆる“恋愛結婚”での婚姻経験者の意見だと考えられます。

筆者の結婚相談所では、成婚した際に夫婦それぞれに、結婚の決め手をお聞きしているので、興味深い結果でした。そこで今回は、今回の調査結果が表しているいわゆる“恋愛結婚”と“婚活での結婚”の違いと、その背景について解説していきます。

■恋愛結婚の決め手は「好きになったきっかけ」と同義

冒頭のアンケート調査では、男女ともに1位は「辛いときにそばで支えてくれた」、2位は「一緒にいてストレスがなく楽しい、自然体でいられる」、4位は「趣味が同じ」という結果でした。「価値観、性格が合う」に関しても、男女ともに上位に入っています。

男女で差が出て、特徴的だったのは、男性3位「手料理が美味しい」6位「転勤についてきてくれた」7位「笑顔が可愛い」、女性5位「笑いのツボが同じ」6位「仕事などの悩みを真摯に聞いてくれた」7位「食の好みが同じ」という回答でした。

いずれも相手を「好きになったきっかけ」に近しいところが、婚活現場と大きく違うところです。

●男性の「結婚の決め手」アンケート結果

1位「辛いときにそばで支えてくれた」

2位「一緒にいてストレスがなく楽しい、自然体でいられる」

3位「手料理が美味しい」

4位「趣味が同じ」

5位「価値観、性格が合う」

●女性の「結婚の決め手」アンケート結果

1位「辛いときにそばで支えてくれた」

2位「一緒にいてストレスがなく楽しい、自然体でいられる」

3位「価値観、性格が合う」

4位「趣味が同じ」

5位「笑いのツボが同じ」

出典:保険マンモス株式会社のアンケート調査(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000035.000096733.html)

このアンケート結果からは、長い交際期間で苦楽を共にし、辛いことや悩みを共有し、趣味を楽しみ、食事などの日常を過ごし、結婚したいという気持ちを共に育て、結婚適齢期に差し掛かったときに結婚を決意された心情が見て取れます。

■婚活男性の決め手は「見た目」×「家庭的」がカギ

一方、婚活の場合はどうでしょうか?

まず、婚活では交際期間3か月~1年弱ということも少なくないので、男女1位の「辛いとき」を実感する機会自体が少ない傾向です。

結婚相談所の場合は婚活中のスキンシップも少ないですから、感情的にグッとくるタイミングが乏しく、理性的に判断できる利点はあるものの、「相手を好きかどうかわからない、結婚を決め切れない」ということに陥りやすい点もあります。

逆に、「一緒にいてストレスがなく楽しい、自然体でいられる」「価値観、性格が合う」などは、婚活でも男女ともに決め手として挙がることが多い印象です。

その理由は、婚活のシステムに起因します。結婚相談所ではそれぞれが自分の希望条件をシステム上に入力して、お相手とマッチングをし、そのあとに実際にお会いする流れとなります。写真や条件面が先になるので、実際に会うと「一緒にいてストレスがなく楽しい、自然体でいられる」「価値観、性格が合う」とわかり、交際を先に進める決め手につながります。

婚活男性の場合、「自身の5~10歳年下」もしくは「上限は34歳まで」などの条件に加え、アンケート回答の「笑顔が可愛い」にあるように「明るい、キレイ・かわいい」など写真の第一印象からお見合いの申込みをされるケースが多いです。

そのため、実際会ってデートや交際をしてみて、「キレイだけれど、意外にも暮らしぶりは質素で家庭的。お人柄も親しみやすくて結婚したいと思った」という風に、好印象のお相手について語られることが多いのです。

特に、婚活男性は結婚=家庭を意識される方が多いので、家で楽しく、快適に、リラックスできる雰囲気を感じ取れると、結婚の決め手につながります。「手料理が美味しい」「転勤についてきてくれた」などの男性の回答例とも一致するところかもしれません。

■婚活女性の決め手は「収入」×「居心地や価値観」

婚活女性の場合は、結婚相手選びによって、結婚後の働き方が大きく変わるケースも多いので、自分の結婚観に合う相手として、収入や財産、将来性など金銭面が最初の条件になる方が多いです。

そこに、働く女性の場合は「男性の家事への協力度」が加わります。その次に「居心地の良さ」や「価値観が合う」などの内面の相性が来る印象です。

女性の場合、恋愛結婚だとアンケート回答のように「笑いのツボが同じ」、ほかにも、「話していて楽しい」「かわいいと言ってくれる、ほめてくれる」などを含めた、居心地の良さを挙げる方も多いですが、婚活ではあまり重視されにくい条件です。

「趣味が合う」については、まったく違ったバックグラウンドの2人がマッチングするきっかけになることがあります。例えば、研究職の理系男性と販売員の女性が「ゲーム」の趣味で、公務員の男性と女医さんが「麻雀」の趣味で、20歳以上の歳の差で同じ「クラシック好き」で……などのカップリング事例があります。

ただ男性のスポーツ関連の趣味は、健康的で自己管理ができる人と女性から人気傾向である一方、「一緒に行きたくない」「休日に出かけてばかりで家庭を顧みない」「お金遣いが荒い」と解釈する女性もいて反応はまちまちです。

このように婚活女性の場合、条件面を第一にしながらも、結婚相手の内面をきちんと見極めたいという思いもあり、相手男性のちょっとした言動から、将来性や価値観、本音を見出そうとする傾向があります。

結婚前にしっかり相手を見極めることは大事ですが、被害妄想や闇雲な減点法で誤解して、素敵な縁を破談にしてしまうのは残念なこと。筆者の結婚相談所では、マッチングの段階で価値観や家柄や親、育ちなどのバックグラウンドも含めた相性を見極めることで、婚活女性の不安要素を取り除けるよう心がけています。

■婚活のキラーワードは「一生苦労させません」?覚悟を言葉に

短い交際期間での相手選びに不安をもつことは当然ですから、当事者同士でも誠意を言葉で伝える、目で見せるということも大切だとお伝えしています。

例えば、婚活現場では、「あなたを大事にします、一生苦労させません」という言葉は、キラーワードです。昨今は、経済的にも苦しい時代なので、なかなかそこまで言えないという状況もあるかもしれません。また、最近は、この言葉を女性側が言うことも出て来ていますので、必ず男性側が言う言葉とも限りませんが、こんな事例がありました。

男性は、43歳の開業医、お相手の女性は35歳のフリーランスの翻訳業の方でした。知的で容姿端麗な女性だったので引く手あまたでしたが、自分の仕事が不安定なこともあり、お相手を決め切れず、迷っているところでした。

交際期間中、彼のクリニックは改装中だったのですが、工事が休みの日曜日、現場に彼女を呼び寄せました。

彼は「ここが待合室。患者さんが増えて拡大するんです。もっと広くキレイにして、たくさんの患者さんが通えるようになります」と、仕事の堅調ぶりを目で見せたのです。そして、「だから、お金の苦労はさせません。もっと僕に寄りかかってください!」と実質のプロポーズをしました。彼女は「突然で驚いたし、背景は工事中だったけれど、とてもロマンチックでした」と語っていらっしゃいました。

恋愛結婚と婚活には異なる点もありますが、たった一人の結婚相手を決める、という点では共通しています。交際中に「辛いときにそばで支えてくれた」という実績はなくても、「辛いときにそばで支える」覚悟を表明することは男女ともに重要だと言えるでしょう。