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婚活に親の背景はどこまで影響するのか?

植草美幸結婚相談所代表・恋愛・婚活ジャーナリスト 植草美幸
(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

今月26日、秋篠宮皇嗣殿下の長女の眞子内親王(29歳)と小室 圭氏(30歳)の結婚が決まりました。まずは、おめでとうございます。

おふたりの婚約内定の記者会見は4年前の2017年9月、今日に至るまでまさに紆余曲折を経ておられ、眞子内親王は複雑性PTSDと診断されたことも明らかになりました。

誹謗中傷や過度な報道は言語道断ですが、今回これまでになく国民の関心を集めることになった原因は、小室さんのお母さまの金銭問題や男女トラブルでした。

今回は、皇室のご結婚に関わる事柄ですので、一般的な婚活事例と並列には語れない部分もありますが、日々婚活現場を見ている筆者の視点から、

「婚活現場で、結婚で親の背景はどこまで見られるのか?」についてお伝えします。

親や親族の家柄や肩書、学歴などを気にする風潮は確かに存在します。中には「親が離婚しているような人との結婚はだめ」「相手の両親は大卒でなければいけない」という考え方があることも珍しくありません。実際、何度も両親に縁談をつぶされ、10年以上婚活をしているという女性もいらっしゃいました。

憲法でも「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立する」と定められていますから、筆者個人の意見としても、成人した本人同士が決めればいいと思っています。

しかし、両親の金銭問題となると、当人同士でもトラブルに発展することは多々あります。

結婚相談所の場合、家族のプロフィールについてはお見合い段階から共有することが多いですが、借金などの問題は真剣交際に入ってから話し合うケースが多く、まずは本人同士が向き合って、当人同士がどう感じるかを尊重します。もちろん、うまくいく場合も、そうでない場合もあります。

例えば、ある30歳の女性は、シングルマザーのお母さまが事業に失敗し?2000万円の借金を抱えていました。本人はパート勤務で返す当てはなく、娘の彼女が援助している状態でした。真剣交際に入っていたお相手の36歳の会社員の男性は、「しがない会社員で、結婚前の親の借金まで背負えない」ということで破談になりました。

一方で、男性側が肩代わりすると断言したケースもあります。男性は自衛官で、真剣交際中に女性のご両親に200万円の借金がありましたが、その理由はお母さまが心臓の手術をしたから。裕福な家庭ではなく、父も高齢でなかなか支払えずにいたと話してみると、「そんな事情なら、自分の親族になるんだから」と男性側が一括で支払いをしてくれたのです。

このように背景の事情や金額、そして、カップル両者の想いの強さの兼ね合いで、お相手がどこまで背負えるか、個々のケースで判断が分かれています。

■親世代は、子どもの邪魔にならない生き方を

親世代として心がけるべきことは主に2つあると考えます。

まずは子を持つ親になったら、子どもが将来どんな人に出会っても、ご縁の妨げにならない生き方をするのが務めです。人様に後ろ指を指される生き方や、世間体の悪い行動は慎みたいもの。借金のほかにも、逮捕歴、不倫や不貞行為が問題に挙がることがあります。

また、子に干渉しすぎて、結婚相手はこうあるべき、こんな人と結婚するべきだと決めつけるのも毒親です。子は子として別の個人として尊重し、私物化してはいけません。子どもの結婚、結婚相手、結婚生活、人格や将来については過度に干渉せず、子どもの邪魔にならない生き方をするべきでしょう。

結婚相談所代表・恋愛・婚活ジャーナリスト 植草美幸

千葉県出身。青山学院大学卒業。結婚相談所マリーミー代表、恋愛・婚活アドバイザー。1995年に、アパレル業界に特化した人材派遣会社、株式会社エムエスピーを創業。そこで培ったコーディネート力を活かし、2009年、結婚相談所マリーミーをスタート。以後10年以上にわたり年間約1,000組の恋愛・結婚に対するアドバイスを行い、業界平均15%と言われる成婚率において、約80%の成婚率(※)を記録している。『結婚の技術』『婚活リベンジ!』など、著書は計14冊。メディア出演の他、地方自治体をはじめとした講演依頼も多数。(※) 成婚退会者数÷全体退会者数で算出。

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