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阪神とオリックスは優勝できる!? 鍵を握る五輪の中断期間と優勝争いの経験値

上原浩治元メジャーリーガー
(写真:ロイター/アフロ)

 東京五輪が終わり、13日からプロ野球が再開した。

シーズンが中断した五輪期間の過ごし方は、チームのレギュラー選手によって違う。

①五輪代表に選ばれ、レギュラーとして出場した選手

②五輪代表に選ばれたものの、あまり出場機会がなかった選手

③五輪代表に入らず、チームのエキシビションマッチで調整をしていた選手の3タイプに分けられるだろう。

 ①の選手は日の丸を背負って戦った重圧面も含め、疲労蓄積を懸念する声があるが、選手の立場からすれば、気持ちが張った状態でプレーし、金メダルという結果がついてきたことで心身は充実しているはずだ。五輪後にチームに戻って実戦調整をした選手もおり、このまま気持ちを切らさずに高いモチベーションのままシーズン再開を迎えたほうがいいように思う。

 ②の選手も同じだろう。出場機会の多い、少ないにかかわらず、金メダルを獲得した自信を得ている。今回の五輪は自国開催のため、チームに合流しても時差調整の必要がない。スムーズに試合に入ることができるのではないだろうか。

 ③の選手はいい休養があったと考え、もう一度、ギアを入れて臨めばいいと思う。春の開幕ほど試合の入りで構える必要はない。体のケアに充てる時間もあっただろうから、どれだけコンディションを整えることができているかが重要になるだろう。

 セ・リーグは13日、首位の阪神、2位の巨人、3位のヤクルトまでの3チームにレギュラーシーズンの優勝は絞られてきているように思う。

 阪神では佐藤輝明選手に注目している。五輪前に放った20本塁打は堂々たる数字だ。新人にとっては初めてフルシーズンを戦う経験をするため、夏場に疲労が蓄積することが大半だ。しかし、今年は五輪がいい意味で休養になった。今までの新人よりも状況は好転しているとみる。前半をもう一つ波に乗れなかった主軸の大山悠輔選手が調子を上げれば、周りを固めるマルテ、サンズとの組み合わせで打線に厚みが増すだろう。藤浪晋太郎投手が先発マウンドを踏んだりしているが、報道によるとシーズン再開後もバックアップ要員として先発調整を続けるという。今の阪神なら、首脳陣としては加わってくれれば戦力になるという感覚で待つことができる。

 巨人は菅野智之投手が鍵を握るかもしれない。右肘の違和感などで、7月2日に登録抹消となり、五輪代表も辞退したが、すでにブルペンで投球練習も行っており、19日の2軍戦で登板予定だという。1軍のマウンドに戻ってくれば戦力になることは間違いない。打線は岡本和真選手、坂本勇人選手ら主力の状態がよく、追撃ムードに期待が膨らむ。

 ヤクルトは山田哲人、村上宗隆両選手ら打線は重厚。投手陣の出来が順位を上げる鍵になってくるだろう。山田選手は五輪全5試合で打率3割5分。1本塁打、7打点の活躍で世界野球ソフトボール連盟(WBSC)によるMVPにも選ばれた。村上選手も米国との決勝で先制アーチを放っている。投手陣では米国の銀メダルに貢献したマクガフもいる。

 パ・リーグはオリックス、楽天、ロッテがAクラスだ。日本シリーズ4連覇のソフトバンクが4位でここからどう巻き返すかだ。

 オリックスは五輪でも先発の軸を担った山本由伸投手のほか、13日に両リーグトップの10勝目をマークした2年目左腕の宮城大弥投手も頼もしい。打線は五輪代表の吉田正尚選手や、杉本裕太郎選手もいる。近年は優勝争いをしていないため、ここからの戦いで不足する経験値をどう補うかが浮沈のカギを握る。個人的には開幕前から今季は上位に顔を出すと思っていたので、予想通りの成績になっている。

 ソフトバンクはよくも悪くも主力が戦列に復帰できるかだろう。投手陣では五輪決勝の米国戦でリリーフした千賀滉大投手が本来の力を発揮できるかが大きいとみている。

元メジャーリーガー

1975年4月3日生まれ。大阪府出身。98年、ドラフト1位で読売ジャイアンツに入団。1年目に20勝4敗で最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率の投手4冠、新人王と沢村賞も受賞。06年にはWBC日本代表に選ばれ初代王者に貢献。08年にボルチモア・オリオールズでメジャー挑戦。ボストン・レッドソックス時代の13年にはクローザーとしてワールドシリーズ制覇、リーグチャンピオンシップMVP。18年、10年ぶりに日本球界に復帰するも翌19年5月に現役引退。YouTube「上原浩治の雑談魂」https://www.youtube.com/channel/UCGynN2H7DcNjpN7Qng4dZmg

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