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侍ジャパン悲願の金メダルへの鍵は初戦と準決勝!両試合の命運を託したいエースはあの投手

上原浩治元メジャーリーガー
(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 東京五輪の野球日本代表「侍ジャパン」は28日、福島県営あづま球場で初戦のドミニカ共和国戦を迎える。31日に横浜スタジアムでのメキシコ戦までは日程が決まり、その後はノックアウトステージの勝ち上がり方次第で4日か5日の準決勝を戦い、7日が決勝になる。

 国際大会で重要なのは「初戦」と「準決勝」。初戦は言うまでもなく大会の流れを左右する。決勝よりも準決勝が重視されるのは、この一戦に勝たないと優勝の可能性が潰えてしまうからだ。

 つまり、準決勝は絶対に落とせない一戦になる。もちろん、決勝も重要だが、銀メダル以上が確定している。優勝を決める一戦にたどり着くために、チームのエースに託すのは準決勝ということになる。

 今回の日本代表の先発の軸は…。2年前に日本が優勝した国際大会「プレミア12」での実績、そして今季の成績を総合的にみれば、オリックスの山本由伸投手しかないだろう。幸いにして初戦と準決勝には十分な登板間隔がある。初戦と準決勝。山本投手なら侍ジャパンの命運を安心して任せられるだろう。

 国際大会では多彩な投手陣が武器になる。左打者が多いチームには中日の沢村賞左腕、大野雄大投手がいる。決勝の大舞台はメジャーでの実績も十分の田中将大投手もいる。大黒柱だった巨人の菅野智之投手がけがで代表辞退したが、追加招集された千賀滉大投手の起用も鍵を握りそうだ。

 抑えは栗林良吏投手(広島)で固定してもいいのではないだろうか。プレミア12でクローザーだった山崎康晃投手(DeNA)、開幕からの連続無失点試合のプロ野球記録を樹立した平良海馬投手(西武)との併用プランもあり得るが、選手の立場からすれば固定してもらったほうが準備はしやすい。

 栗林投手は今季を抑え一本でやっている。9回に向けた準備の仕方もシーズンと同じ。重圧の不安はここまでの結果で吹き飛ばしている。山崎、平良両投手に、変則の青柳晃洋投手(阪神)は先発でもいけるが、第2先発のような中継ぎ起用もおもしろい。

 いよいよ始まる自国開催の五輪。コロナ禍ではあるが、開催される以上は、ベストを尽くす選手たちの背中を応援したい。

元メジャーリーガー

1975年4月3日生まれ。大阪府出身。98年、ドラフト1位で読売ジャイアンツに入団。1年目に20勝4敗で最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率の投手4冠、新人王と沢村賞も受賞。06年にはWBC日本代表に選ばれ初代王者に貢献。08年にボルチモア・オリオールズでメジャー挑戦。ボストン・レッドソックス時代の13年にはクローザーとしてワールドシリーズ制覇、リーグチャンピオンシップMVP。18年、10年ぶりに日本球界に復帰するも翌19年5月に現役引退。YouTube「上原浩治の雑談魂」https://www.youtube.com/channel/UCGynN2H7DcNjpN7Qng4dZmg

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