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9回打ち切りルールでプロ野球はどう変わるのか!? 優勝のカギを握るリリーフ陣と「9回表」

上原浩治元メジャーリーガー
(写真:アフロ)

 2021年シーズンのプロ野球は26日、セ・パ両リーグで開幕する。例年通りの1

43試合で実施される一方、営業時間短縮要請に対応するため、延長戦を行わず9回で打ち切り、一部の試合で開始時間が早まった。

 ナイターが通常の18時開始より15分から30分前倒しされ、コロナ禍への球界の配慮が見えた。ただ、できることなら試合は決着をつけたほうがいい。リーグ戦ということを考えれば、引き分けという決着があってもいいのかもしれないが、もう少し試合時間を早めて12回までは延長を行うという選択肢もあったのではないかというのが正直な感想だ。それでは仕事を終えた後、球場に向かっても開始時間に間に合わない、という反論があるかもしれないが、今季も観客数には上限がある。その日の試合を観戦できる人も限られるのだから、開始時間を早める影響も抑えることができると思った。

 決まった以上は9回でどう戦うか。私は救援陣が充実しているチームに有利に働くのではないかと思う。たとえば、1点ビハインドのホームチームは9回表に「勝ちパターン」の投手をつぎこみやすくなる。延長があれば、9回表をゼロに抑えて、裏の攻撃で追いついても、その後の継投を考える必要があるが、追いついて引き分けが決まるのであれば、9回表を確実にゼロに抑えて最後の攻撃を迎えたいという戦略も出てくるだろう。救援陣の役割が大きくなるのではないだろうか。また9回と「終わり」が決まっている以上、投手をどんどんとつぎ込みやすくなる傾向も出てくるだろう。もちろん、無理がたたれば、シーズン後半の救援陣に負担過多となって後半戦の失速につながる。攻撃面でも、代打の切り札を送り出すタイミングが早まることもあるだろう。得点のチャンスを確実に生かし、失点のリスクをできるだけ減らす。ベンチの采配にも注目したい。

 オープン戦で6本塁打をマークし、49年ぶりに新人記録を塗り替えた阪神の佐藤輝明選手ら新人の活躍にも注目が集まる。ただ、プロの壁を感じるのは開幕してからになるということもある。私自身もそうだったがオープン戦の結果はあくまで参考記録というとらえ方だった。本番になれば、プロは厳しいコースを容赦なく攻めてくるだろうし、長いシーズンは精神的な疲労も蓄積してくる。心技体で真のプロになれるか。本当の戦いはここからだろう。

元メジャーリーガー

1975年4月3日生まれ。大阪府出身。98年、ドラフト1位で読売ジャイアンツに入団。1年目に20勝4敗で最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率の投手4冠、新人王と沢村賞も受賞。06年にはWBC日本代表に選ばれ初代王者に貢献。08年にボルチモア・オリオールズでメジャー挑戦。ボストン・レッドソックス時代の13年にはクローザーとしてワールドシリーズ制覇、リーグチャンピオンシップMVP。18年、10年ぶりに日本球界に復帰するも翌19年5月に現役引退。YouTube「上原浩治の雑談魂」https://www.youtube.com/channel/UCGynN2H7DcNjpN7Qng4dZmg

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