海外FA権って、なんやねん!?

 今年もメジャーに日本人選手が移籍した。DeNAの筒香嘉智と西武の秋山翔吾、そして巨人からは山口俊の3選手。このうち、筒香、山口の2選手は球団が認めたポスティングシステムで、秋山選手だけが海外FA権の行使だった。

 近年では秋山選手のような海外FA権を行使しての移籍は珍しいくらいだ。ダルビッシュ(有)投手もマー君(田中将大投手)もマエケン(前田健太投手)も大谷(翔平選手)君もみんなポスティングやからね。それくらい、メジャー移籍でポスティングの活用が常態化している。まずは移籍した選手にはメジャーで活躍をしてほしい。それとは別に言いたいことがある。それは「海外FA権って、なんやねん」ということ。正直、海外FA権の制度っていらんのちゃうかと思ってしまう。

 そもそもポスティングは、球団が「NO」って言ったら3秒で終わる話。ただ、球団からすれば、所属する選手が9年在籍(1軍登録を満たすことが条件)して海外FA権を行使してメジャーに行ったら、1円も入らない。だったら海外FA権の取得の1年とか2年前にポスティングを認めるっていうからくりになっている気がする。

 選手からすれば、海外FA権の取得を待たずにメジャーに行けるメリットがあり、球団も経営面でポスティングで選手を獲得したメジャー球団から得た「移籍金」を補強などの資金に回すことができる。

 私がポスティングでの移籍を訴えたときは、マスコミからも「ワガママ」とかいっぱいたたかれたけど、今はそんな空気ないよね。ポスティングでもメジャーに挑戦する選手を応援する雰囲気に包まれ、正直、うらやましい(笑)。

 そんな愚痴はともかくとして、行使前にポスティングで移籍することが一般的なら、FAの枠組みで国内(高卒8年、大学・社会人は7年の1軍登録で満たす)と海外という壁を取り払ってしまえばって思う。その上で現在の国内FAのタイミングでメジャーにもFA移籍をできるようになればいい。その上で、FA以外のメジャー移籍には統一のルールを作るべきだと思う。ポスティングは球団によって、あるいは選手個々によって認められたり、認められなかったりで統一されたルールとは言えない。

 FA権取得前でも一定の在籍年数を経た選手が希望すれば、ポスティングが自動的に認められるようにするのも一つの手段だと思う。メジャー移籍の理想的な年齢は20代後半。私が巨人に在籍していたときは球団がポスティングを認めていなかったから、FA権を取得してメジャーに移籍したのは34歳のときだった。幸いにして40歳を過ぎてもプレーできたけど、先発マウンドに立てた回数は限られていた。いまでも「20代で行けたら、どれだけ幸せだったか」って思う。

 メジャーへの人材流出で日本球界の空洞化を懸念する声が必ず上がるよね。だけど、若い選手が放っといても出てくるよ。代わりになる選手が育ってくる。それが「日本の野球力」でしょって思う。甘くみてほしくない。そもそも、日本球界のレベルは決して低くない。メジャーから巨人に復帰したとき、適応するのは簡単じゃなかった。名前で抑えられるなんてことは絶対にない。

 それでも、球界の将来を心配するなら、もっと子供たちの野球環境とか裾野を広げる活動に力を入れたらいいと思う。

 若いうちにメジャーに行けば、また30代で日本球界に戻ることもできるしね。もしアメリカでダメで日本に戻ってきても活躍できる保証なんてない。

 うん、やっぱり言いたいね。「海外FAって、なんやねん!?」。