レノファ山口:10人奮戦も及ばず。最終盤で力尽き、2連敗

土壇場で失点。守備陣も耐え続けたが… =16日、維新公園(筆者撮影。以下同)

 J2レノファ山口FCは9月16日、ホームの維新百年記念公園陸上競技場(山口市)でFC岐阜と対戦。前半に退場者を出すなど苦しいゲーム運びを強いられ、0-1で敗れた。

明治安田生命J2リーグ第33節◇山口0-1岐阜【得点者】山口=なし 岐阜=難波宏明(後半45分)【入場者数】3646人【会場】維新百年記念公園陸上競技場

福元洋平(背番号4)が入った以外は前節と同じ布陣。課題のミスは減った
福元洋平(背番号4)が入った以外は前節と同じ布陣。課題のミスは減った

20秒でのシュートは結実せず

16日が誕生日だった前貴之(左)は積極的に上下動した
16日が誕生日だった前貴之(左)は積極的に上下動した

 先にシュートに持ち込んだのはレノファ。開始から20秒でFW岸田和人のパスを受けたDF前貴之がミドルシュートを放って岐阜ゴールを脅かす。しかし前半でゴール前にボールを運べたのはほぼこの1回のみ。このあとは岐阜に一方的に攻め込まれることになる。

 今季の岐阜が得意とするパスワーク。その中心にいるのが昨季までレノファでプレーしていたMF庄司悦大で、去年のオレンジユニフォームでそうしていたように意欲的にボールを回収し、縦横にと散らしていく。レノファもブロックを築き、FW風間宏矢のスペースこそ消せていたが、パスに翻弄されてMF小野悠斗やFW田中パウロ淳一に何度もシュートを打たれてしまう。

 なんとか耐えていたレノファに悪夢が襲いかかったのは前半39分だった。カウンターに出て行ったFWレオナルド・ラモスの肘が、相手選手の顔面に入り一発退場。ポストプレーやシュートが期待された選手を失い、フィニッシャーは岸田頼みとなった。それでも「一人少なくなって厳しいゲームになったが、チャンスはあると思って常に狙っていた」(岸田)と孤軍奮闘するが、前線への供給はさらに減っていく。

 後半に入ると流れはいっそう岐阜に傾き、MFシシーニョがボールに触る回数も増える。レノファにとってはシステムのギャップも悪い方向に働き、相手をなかなか捕まえられない。ただチーム全体の守備意識は高く、サイドを張っていた前とDF星雄次がディフェンスに戻ったり、岸田が起点にアプローチしたりして、バランスは崩れながらも相手に食らいついた。GK吉満大介は好セーブを連発。公式記録上は22本を数えた岐阜シュートをことごとく跳ね返し、チームに勇気を与えていた。

残り数分で痛恨の失点

 ただ、攻撃へのスイッチが全く入らなかった。一人少ないこと、重心が下がっていたことなどからセカンドボールを拾えず、何度も反復攻撃を受けてしまう。「最後の最後で跳ね返せていたが、前に行く選手が少なかった。守るだけのゲームになってしまった」。味方選手の負傷を受けて後半途中からピッチに立ったMF鳥養祐矢はそう振り返った。

両チームの攻守に大きな役目を果たす宮城雅史と庄司悦大
両チームの攻守に大きな役目を果たす宮城雅史と庄司悦大

 我慢の展開が長く長く続いた。しかし報われることはなく、前半から防戦一方だった守備はついに力尽きる瞬間を迎える。アディショナルタイムを目前に、小野のクロスを途中出場のFW難波宏明にバックヘッドで合わせられ、無情にもネットを揺らされたのだ。岐阜・大木武監督が「難波様様。すばらしいゴールだった」と讃えたゴラッソ。喜ぶ岐阜の選手たちを背に、レノファ守備陣は一様にがっくりと肩を落とした。「我慢強く守備をしていたが、最後のところでやられたのは自分たちに問題があった。最後は相手選手の受け渡しというちょっとしたところだった」(吉満)。

 レノファは最終盤、FW大石治寿とMF加藤大樹をピッチに入れて攻撃を活性化させようと試みたが不発に終わった。特に加藤の投入はアディショナルタイムが2分を経過する頃になってからで、遅きに失した。0-1で敗れ、2連敗。レノファは降格圏脱出に必要な勝ち点を一つも積み上げることができなかった。

ラフプレーを減らし、総力戦へ

 選手が一人少ない状態でシュートを20本以上も浴びながら、1失点に抑えたことは評価できるかもしれない。ただ結果は負け。上のチームとのギャップを縮めるには勝ち点を得るよりほかに道はなく、様々に修正をする必要がある。カルロス・マジョール監督は「守備から修正して徐々に前線の方に改善していきたい」と話し、攻守両面での修正を図る考えを示した。

 一つ前の試合では致命的なミスが相次いで失点を繰り返した。その観点から見ればミスは確かに減った。だが、クリアボールを簡単に相手に与え、すぐにピンチになるようであれば、厳しい言い方をすればミスをすることと大差はない。長いボールが収まらないのは明らかで、今日の岐阜が見せたように自信を持ってボールを繋ぐ時間を作るべきだ。

まさかの一発レッド。厳しい戦いを強いられることに
まさかの一発レッド。厳しい戦いを強いられることに

 もう一つ、改善を急がなければならないのは多すぎるファール。レオナルド・ラモスのプレーは故意ではないにせよ、腕が相手の顔に入って肘打ちした形になった。カードを受けるのはやむを得ず、結果論からすればチームの足を引っ張った。

 試合後、星は「相手が上がってくる分、背後を狙いたかったが、センターバックも余っていたので難しかった。ボールを追っていたという記憶しかない」と話した。もし枚数が足りていてセンターバックをケアしているFWがいれば、両ウイングバックのプレーはもっとスムースだっただろう。悔やまれるFWのレッドカードだし、ラモス個人のみならずチームとして反省すべき材料となった。

 今節に限らず異議やラフプレーからカードをもらうケースは目に付く。悪い流れからのセットプレーは失点に直結しやすく、なおかつ累積警告で出場停止のリスクもある。重要な終盤戦を戦い抜くための節度あるプレーが必要だ。

 残り9試合。深めるべきポイントは未だ多く、練習のピッチは上げていきたい。その一方で試合ではしたたかに戦うことが求められる。チームを束ねる鳥養祐矢はこう話した。「練習の雰囲気はいいし、メンタル面での勝ちたいという気持ちも出ている。助け合いながらやることもできているので、なんとか勝ち点を取れるようにやっていきたい」-。

 次節からは2週続けて敵地でのゲームとなり、24日(日)に松本山雅FCと、30日(土)にアビスパ福岡と対戦する。次のホーム戦は10月7日(土)午後3時から。維新百年記念公園に名古屋グランパスを迎える。

 苦しんだ今シーズンも少なくとも残留ができれば、もう一度J1を目指した前向きのスタートが切れる。指折り数える残り試合を精一杯戦い抜き、オレンジ色の志士たちは来年への希望を掴んでみせる。