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レノファ山口:終盤2ゴールも一歩及ばず。5バックとカウンターに苦戦

上田真之介ライター/エディター
中2日でゲームに臨んだレノファ。庄司、小池らがスタメンを外れた

明治安田生命J2リーグは25日、第33節10試合が行われた。前節を終えて9位のレノファ山口FCはホームの維新百年記念公園陸上競技場(山口市)で20位FC岐阜と対戦。徹底したレノファ対策に乗り出した相手の守備を崩しきれず、終盤に2点を奪ったものの2-3で破れた。順位は10位に後退。同節の残り1試合(札幌-町田)は26日に行われる。

明治安田生命J2第33節◇山口2-3岐阜【得点者】前半25分=レオミネイロ(岐阜)、同40分=阿部正紀(岐阜)、後半4分=エヴァンドロ(岐阜)、同43分=星雄次(山口)、同48分=中山仁斗(山口)【入場者数】5026人【会場】維新百年記念公園陸上競技場

中2日の厳しさ

レノファは週半ばの22日に新潟で天皇杯を戦い終えたばかり。中2日で迎えた今節は疲労を考慮し、中心選手の一部をスタメン起用しなかった。特に目立ったところでは、今季のリーグ戦全試合に先発出場してきたMF庄司悦大とDF小池龍太をベンチスタートとし、MF福満隆貴はメンバーから外した。

ボランチの庄司がピッチに立たなかったことで、戦い方には微妙な変化が起きた。庄司はショートパスやサイドチェンジ、楔のパスなど選択肢を多く持つレノファの心臓部。ボールホルダーをサポートして近い位置でパスを引き出すのも彼の真骨頂だ。その庄司がいないことでサポートが手薄になり、ボールを持っている選手が従前よりもシンプルにクリアしたり、なかなかボールを前に出せなかったりと、レノファが得意としてきたリズミカルな地上戦には持ち込めなかった。サポートにも献身的な福満がいないこともそれを助長しただろう。

ただ、そうした自分たちの事情に加えて、岐阜のレノファ対策にも苦しんだ。岐阜はDF4枚に加えて、長身のMF岡根直哉が最終ラインに吸収された5バックを敷いた。吉田恵監督は「山口さんは前線の4人の動きが流動的。両サイドバックの攻撃参加という形も非常に怖かったので、4人に対して5人で、もう一人上がってきてもスライドで対応できるようにした」と狙いを説き、実際に後ろの枚数を減らすことなく守備を固め、レノファのペナルティエリア内への進入を防いだ。

庄司という変幻自在なパサーがいないレノファ。前には人数を割いて5枚のブロックに穴を開けようと試みるが、ボールを簡単に失い、シュートまでは持ち込めない。前半25分には岐阜が先制点。GK村上昌謙のゴールキックをDF阿部正紀が跳ね返すと、そのボールに反応して裏に抜け出たFWレオミネイロがあっさりとゴールを奪う。なおも岐阜はレオミネイロに加えて、FWエヴァンドロ、FW難波宏明にボールを集中。ボールを奪うと人数は掛けずにカウンターで決定機を作っていく。

攻めきれないレノファも同37分、フリーキックのこぼれ球を北谷史孝がゴール至近から狙うがGK高木義成が立ちはだかった。前半の終わりには阿部正紀のシュートがレノファの選手に当たってループシュート気味になりそのままゴールイン。後半の立ち上がりにも岐阜はカウンター攻撃からエヴァンドロが追加点。これで0-3となり、スコア上は岐阜の勝利が決定的となった。

流れを引き寄せた庄司投入

その失点直後にレノファは庄司悦大を投入する。すでに香川勇気の負傷で小池龍太もピッチに立っており、100パーセントではなくとも、「いつもの顔ぶれ」に近い状態になった。これが契機となってレノファにリズミカルさが戻る。一方で岐阜は「5-2-3」に近い状態だったシステムを、さらに守備にシフト。「5-4-1」として逃げ切りを図ろうとする。

5バックでなおかつ引かれるという状況。しかし、庄司投入後のレノファは着実な成長を感じさせる内容だった。「単純に引くチームが増えた。自分たちのパスサッカーを怖がってかなりどん引きされたりする」(三幸)ことに少しずつ慣れ、試合のたびに精度や動き出しの質が向上。「選手たちが練習に良く取り組んでくれた成果」(上野展裕監督)が発揮される。

DF廣木雄磨のクロスからFW中山仁斗がゴールに近い位置からシュートを放つなど、流れの中からチャンスを作り出すと、後半43分に待望の一撃。MF島屋八徳がゴール前の密集を避けて左にはたいたパスから、MF星雄次が落ち着いてシュートを放った。「ヤツくん(島屋)からいいかたちでボールが来た。あとは流し込むだけだった」と星。さらにアディショナルタイムには攻め込んでいた中山仁斗が倒されてPKを獲得。「思いっきり気持ちを込めて打った」という中山のPKは右のポストに当たってゴールネットを揺らし、1点差に迫った。

残された時間もレノファが一方的に支配。結果的には勝ち点を得るには1点及ばなかったが、最後まで諦めずにゴールを狙い続けた。維新公園の熱気も最高潮に達し、声援もボリュームアップ。島屋は「2点取ったときには、追いついたり逆転できたりできる雰囲気をサポーターのみなさんが作ってくれた。結果が残せず残念」と話し、感謝とともに悔しさが滲んだ。

掴んだ自信と残った宿題

1点が足りなかったとはいえ、庄司がピッチに立った後半は、レノファらしいサッカーを展開。主導権を握って地上戦から何度もチャンスを作り、複数得点に結びつけた。相手が5バックのべた引きの中で、それに迎合せず、エンターテインメント性の高いとでも言うべき魅力あるサッカーを見せつけた。

中山仁斗(背番号32)は10得点目。北谷史孝(背番号33)はリーグ戦2試合連続の先発
中山仁斗(背番号32)は10得点目。北谷史孝(背番号33)はリーグ戦2試合連続の先発

中山はPKでの一撃が今季10得点目となった。ただ、表情のゆるむことはなく、「シーズン開幕前から2ケタ得点を目標にしていたので2ケタに行けたのは嬉しいが、今日はサポーターのみなさんに申し訳ない試合をしてしまった」と話した。リーグ戦は6試合連続で勝ちがなく、また、下位チームを相手に勝ち点を一つも奪えなかったのは事実。今節、引いた相手から得点ができたことは大きな収穫になるし自信にしても良いが、安易に失点してしまった守備面と、庄司不在時の戦い方には宿題を残したままだと言わざるを得ない。

キャプテンマークを巻く島屋は「5バックでしっかり守ってカウンターをしてくるチームも増えてきたが、相手の思うつぼにならないようにもっと攻撃力を磨き、どんな相手からも点を取りたい。プロとして結果を求め、勝点3にこだわって、しっかりいい準備をして戦っていきたい」と話す。プレーオフ圏内はまだ目指せる位置にある。いい内容をいい結果へと結びつけるべく、チーム一丸、最後まで戦い抜く。

ライター/エディター

世界最小級ペンギン系記者・編集者。Jリーグ公認ファンサイト「J's GOAL」レノファ山口FC・ギラヴァンツ北九州担当(でした)。

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