異例の厳戒、トランプホテルに入れず    トランプ大統領就任式前夜

20ドルのトランプフラッグと支持者

首都ワシントンで、昨年オープンしたトランプ・インターナショナル・ホテルのロビーに行って、中を徘徊し、ワインでも飲もうか、と足を運んだ。ホテルは、トランプ政権移行チームの拠点でもある。過去に取材をしたトランプ支持者らが、ロビーやバーで祝杯をあげているかもしれない。

すると、入り口が二重三重に閉鎖され、廃墟の入り口のように人気がなかった。

新大統領の就任パレードが行われる「ペンシルベニア・アベニュー」は、星条旗が翻り、笑顔のトランプ支持者がトランプグッズをテキ屋から買っているお祭りムードだけに異様だ。

ホテルは、ホワイトハウスから、わずか1キロほどしか離れていないため、トランプ氏が「離れ」として使うのではないか、とも言われている。オバマ氏は、外遊と休暇以外は、ホワイトハウスを離れなかったが、トランプ氏の「異例」続きには、慣れてしまって、そんなこともあるのではないか、とさえ思ってしまう。

同アベニューも、よく見ると、鉄柵が歩道との間に二重に置かれている。ニューヨークの「ノース・ホワイトハウス」と呼ばれたトランプタワーの前と同じだ。それが、数キロ続いている。

さらに、同アベニューにつながる道路は、大型ゴミ清掃車をふさぐように置いて、ブロックしている。ニューヨークで要人が来た場合、最近使われるようになった手法だ。

就任式の度に訪れるレストランバー「エレファント&キャッスル」に行って、前夜の就任コンサートを見る。オバマの就任式の時は、多くのカメラマンが写真をアップロードし、観光客であふれていた。

驚いたことに静まり返っていた。コンサートの曲が、延々と大きく鳴り響いている。話をしている人は、ほとんどいない。

トランプ氏のスピーチが始まると、バーカウンターの端にいた女性らが、「Yay!」と声をあげた。私の隣は、同性愛者カップルで、何度もため息をついた。他の人たちは、静まり返っている。

息を潜めて、就任式以降、何が起きるのか、待っている、という感じだ。

以下は、2009年、アエラのウェブサイトに書いたオバマ氏の就任式のブログ(転載されたもの)だ。

「オバマ!オバマ!」と叫んでいた年配の黒人タクシー運転手。零下10度の中、薄いコートで来た女子学生にホカロンを渡したら、涙ぐんでいたこと。オバマの姿を見て、涙を流し、ファンデーションが剥げていた黒人女性。そして、笑顔、笑顔。

何度読んでも、当時のワクワク感に、顔がほころぶ。今日はどうなるのだろうか。

http://naganococoro.blog122.fc2.com/blog-entry-2086.html(オバマ就任式ブログ)

ニューヨーク在住ジャーナリスト。「アエラ」「ビジネスインサイダー・ジャパン」などに、米社会、経済について幅広く執筆。近著は「現代アメリカ政治とメディア」(共著、東洋経済新報 https://amzn.to/2ZtmSe0)、「教育超格差大国アメリカ」(扶桑社 amzn.to/1qpCAWj )、など。2014年より、海外に住んで長崎からの平和のメッセージを伝える長崎平和特派員。元共同通信社記者。

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ニューヨークに2003年から住むジャーナリスト。大統領選挙取材は2008年から今年は4回目。下町クィーンズで、豊かではないが夢いっぱいのミレニアル世代と暮らしながら、トランプのアメリカ社会、政治、テクノロジーをミクロから眺めていく。そこから、アメリカの夢、挫折、フラストレーションが浮かび上がる。

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