原油価格下落によりガソリン価格はどれくらい下がるか?

本日12月9日のニュースで,中東産ドバイ原油のスポット価格が,2015年2月渡しで1バレル62.50ドルとなったことが報じられていました。6月頃は108ドルだったので,およそ半年で4割程度下落したことになります。2月引き渡し価格のため,少し待つ必要がありますが,これからガソリン価格はさらに下がることになるでしょう。

ガソリン価格(東京都区部小売)は12月はじめ頃で,1リットル157円が平均です。6月に1リットル166円でしたので,まだ5%程度しか下落していません。

ただ,1リットル当たり54円程度がガソリン税(および環境税)なので,連動するのは残りの分のみです。加えて,6月の為替レートは1ドル102.05円でしたが,最近は120円を超えることもあります。したがって,原油価格の下落は,2割の円安で相殺されてしまっています。

このような構造のため,直感的に原油価格がどれくらいガソリン価格に影響を与えるのかわかりにくいので,具体的に計算してみました。円安を考慮すると,1月~2月頃にガソリン価格はどの程度まで下がるでしょうか。

結果は以下のようになりました。

画像

表の上段は為替レートについていくつかのケースをで,下段は原油価格の違いをみています。この価格を来月2015年1月と想定して,2014年のガソリン価格と比較した変化率も計算しています。また,ついでに消費者物価指数に対する寄与度を計算し,ガソリン価格の変化がどれくらいインフレ率に影響をおよぼすのかもみました。

そうすると,今回の原油価格が続けば,来月1月から2月頃に今より10円くらいガソリン価格が下がることが予想されることになります。このとき,インフレ率は約0.15%押し下げられます。

図にすると次のような動きになります(統計データ:経済産業省「石油製品価格調査」およびIMF Primary Commodity Prices)。2014年7月と比較すると20円くらいの低下になりそうです。

原油価格とガソリン価格
原油価格とガソリン価格

ただし,この数字はおおよその試算のため多少の違いは生じます。おおざっぱな参考値としてください。

今回の試算では卸価格を考慮しないで,小売価格から原油価格の円換算額と環境税を含むガソリン税を差し引いた額から求めました。(消費税は付加価値税のため,扱いにくいので,今回は増税分の3%のみ差し引きました。残りの5%はそのままです。)

実は下の図の様に,このように求めた小売の取り分は安定的な推移です。1リットルあたり,30円から40円程度が残るだけです(ここからさらに卸価格の上乗せ分を引く必要もあります)。これをみると,なぜ,ガソリン価格が数円単位でよく変動する理由が分かります。すなわち,この幅がかなり狭く額も大きくないため,原価部分が数円変化しただけでも,小売価格を動かさないと対応できないのです。

小売価格-税など
小売価格-税など

さて,原油価格の下落はガソリン価格のみならず,さまざまなところに影響します。今回の下落は為替レートが1ドル135円程度にまで円安にならない限り,完全には相殺されません。そのためエネルギー関係の価格を押し下げる要因になるでしょう。

電気代は,主に天然ガスの価格に影響を受けます。原油価格の変化とは数ヶ月の差があるため,電気代は下がるとしてももう少し先になりそうです。